本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、8月1日~8月5日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 OIST、量子力学の現象と考えられていたものが古典物理学で説明できることを示す 東大、銅酸化物界面で超伝導転移温度が安定に最適化される機構を解明 東大、天の川の中心付近に若い星のすき間を発見 物質・材料・化学系 東北大、RNA二重鎖を可視化する新技術を開発 東大と農工大、虫歯菌の酵素から高耐熱性樹脂の開発に成功 山形大、次世代リチウム電池電解液中のリチウムイオンの構造を解明 核融合研、性質の異なる2つの金属をしっかり接着する方法を発見 大阪大、次世代太陽電池の材料探索時間を1/10以下に短縮 大阪市大、二酸化炭素→ギ酸生成において触媒変換効率を126倍向上させる分子を発見 バイオ・生命科学系 理研、細胞を使わない膜タンパク質の合成技術を開発 埼玉大、多様なスフィンゴ脂質分子を一斉に定量分析する技術を確立 埼玉大、イネいもち病耐性における細胞膜のマイクロドメインの役割を解明 奈良県立医大、においを感じる度合いを調節する神経メカニズムを解明 東京都医学総合研、ゲノム複製開始を制御する新たなメカニズムの発見 国立環境研、絶滅危惧鳥類3種の全ゲノムの塩基配列を解読 理研、遺伝子領域の活性や制御に関するデータベースを開発 東北大、遺伝性不妊の宿主に感染細菌が卵を復活させる仕組みを解明 医療系 国循、ANP(心房性ナトリウム利尿ペプチド)の3分子型の分別測定法の開発 慶大、生体内多機能物質ラクトフェリンによる新たな炎症制御メカニズムを解明 千葉大など、うつ病の病因に転写因子Keap1-Nrf2系が関与していることを明らかに 自治医科大、筋強直性ジストロフィーの新しい分子病態薬物療法 大阪市大、マイクロRNAを使った新しい肝線維化治療方法を開発 東工大、中性子捕捉療法のための有望なホウ素薬剤を開発 慶大、慢性期脊髄損傷は神経幹細胞移植とリハビリテーションの併用が効果的 同志社大、パーキンソン病の早期バイオマーカーとして酸化DJ-1を同定 健康長寿医療センター、筋ジストロフィー症発症の新たな仕組みを発見 東大、マイクロRNAによる脊髄小脳失調症の遺伝子治療 理研と阪大、非古典的HLA遺伝子の関節リウマチ発症への関与を明らかに その他 東大、心の健康維持のために中高生に推奨すべき夜間睡眠の具体的時間数を解析 北大、小鳥ヒナの「バブバブ(喃語)」には個体ごとに違いがあることを発見 科博、近縁種が生息するとさえずりによる鳥の種認知が正しく行われなくなる 広島大、極限状態のマグマの挙動をレーザー高圧実験で解明 JAMSTEC、2億5000万年後までに日本列島を含む超大陸アメイジアが北半球に形成される 長崎大、動的効用理論を用いたゲーム理論を構築 東北大学は、リボ核酸(RNA)の二重鎖構造に結合する蛍光分子(プローブ)を新たに開発し、RNA二重鎖の塩基配列を可視化することのできる技術を開発した。図は、プローブ構造と、予想される三重鎖構造。オレンジはプローブのPNA部分、緑がTO部分、青と灰色がRNA