アイルランドのエンダ・ケニー首相は8月1日、Googleが同国のウェストダブリンにて、データセンターを正式開所したと発表した。同国におけるGoogleのデータセンターへの大型投資は2012年に次ぐ2番目、同社の省エネ型クラウド・コンピューティング施設の中では最新の施設となり、投資額は1億5000万ユーロ(約174億円)。

アイルランド政府産業開発庁 日本事務所によると、新設したデータセンターは同社が2012年に同国に開設した既存のデータセンターに併設する形で建設。建屋は2階建てで、Google検索エンジン/Gmail/Googleマップなどのサービスを実行するためのコンピュータを収容している。

同社の同国における設備投資額は、2003年の進出以来、累計で7億5000万ユーロ(約870億円)を超えている。グーグル・アイルランドは現在、3000人を直接雇用し、委託契約の約3000人と合わせ、国内の全拠点で合計6000人を雇用。データセンターは、同国の自然の寒冷気候を生かして先進の空冷システムを用いてコンピュータを動作させているため、高コスト、かつ電力を大量消費する空調設備を必要としないという。

このため、同社は電力要件の軽減が可能であり、カーボン・ニュートラルな企業としてのグローバル・ステータスを維持。同社は2007年にカーボン・ニュートラルに転じ、電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを確約していることに加え、2011年比で同じ電力量で約3.5倍のコンピュータの計算能力を実現しているという。

同国産業開発庁のマーティン・シャナハン長官は、今回のデータセンター開所を歓迎し「Googleによる2003年のアイルランド進出当時の計画は小さなものでしたが、現在ではアイルランド最大の雇用主として、国の経済に大きく貢献しています。同社が高度な技術力を要する多数の分野でビジネスを構築し続け、優秀な人材が集まるチームを増やし続けていることは、アイルランドが競争力の高いビジネス環境および、高技能人材を提供していることの証左と言えるでしょう」と述べている。