STマイクロエレクトロニクス(ST)は7月12日、超小型・低消費電力の新しいモータ・ドライバICを発表した。

携帯型の医療用ポンプや医療機器、パーソナル・ヘルスケア機器、携帯型POS端末、小型ロボットなどのモータ制御では、スペースと消費電力の制約がある中で、ロジックとパワー素子を1チップに集積することが求められている。

今回STが発表したモータ・ドライバICは、3×3mmの小型パッケージで提供されるほか、1.8Vという低い電源電圧で動作し、モータ停止時におけるクラス最高のスタンバイ電流80nA未満を実現したゼロ電力モードにより、低消費電力設計に対応する。一方、モータ動作時には、最大1.3A(rms)の電流を供給することができるため、ロボットの位置制御システム、プリンタ、カメラ・オートフォーカス、電動歯ブラシ、シリンジ・ポンプといった広範な用途のモータに使用することができる。

同製品は、ステッピング・モータ用のSTSPIN220、3相ブラシレス・モータ(BLDC)用のSTSPIN230、ブラシ付きDCモータを2個駆動可能なMOSFETブリッジを2個内蔵したSTSPIN240をラインアップ。現在量産中で、1000個購入時の単価はSTSPIN230およびSTSPIN240が約0.75ドル、STSPIN220が約0.95ドルとなっている。また、電流容量を2.6A(rms)まで増加させ、ブラシ付きDCモータを1個駆動可能な製品の量産を、2016年第3四半期に開始する予定。