本稿では、弊誌にて掲載しきれなかった国内の大学・研究機関の研究成果に関するニュースリリースをご紹介する。今回は、7月4日~7月8日付けのリリースからお届けしたい。 宇宙・物理系 東大、レーザー電場のない条件下での気体分子の完全配向制御に成功 東工大など、幻の「マヨラナ粒子」の創発を磁性絶縁対中で捉える 東大、鉄系超伝導体に見つかった新たな非磁性の電子液晶状態とその特異点 千葉大など、鏡面を1つだけ有する試料の作製に成功 物質・材料・化学系 東大など、高圧氷に新たな秩序状態を発見 筑波大、単一の蛍光色素から4色の発光マイクロ球体をつくる 京大、ナノバブルのおしくらまんじゅうを初めて観測 横国大、新しいエネルギー貯蔵原理を発見 東大、30の頂点を持つアルキメデスの多面体(二十・十二面体)の化学分子合成 バイオ・生命科学系 NICT、外来遺伝子(DNA)の生細胞への効率的な導入方法の開発に成功 理研、加齢に伴うグリコーゲンの脳内分布変化を可視化 理研、寄生植物の侵入器官発生メカニズムの一端を解明 NAIST、生命の起源説をヒントにらせん構造の転写実験に成功 新潟大、歯が修復されるメカニズムを解明 医療系 京大、アルツハイマー病特有のアミロイドβ立体構造に特異的な抗体の開発 東京医科歯科大、腱・靭帯が骨化する病態を解明 大阪市大、MRIを用いて圧迫骨折の予後を予測 自治医科大、薬の効き目を左右する受容体内在化のしくみを解明 北大、特定の癌細胞でRNA顆粒が融合して核内構造体を形成するメカニズムを発見 阪大、脳形成障害の原因遺伝子の機能を解明 阪大、神経発達障害群の染色体重複による発症の機序を解明 大阪市大、分化型早期胃がんで内視鏡治療の予後が良好なことを明らかに 国がん、糞便試料の新たな保存法を確立 名大、侵害受容と鎮痛制御においてオレキシン神経の活動が果たす役割を解明 その他 京大、津波起源の電磁場の海底観測により地震断層の傾斜方向を推定 北大など、20世紀の黒潮流量の長期復元に成功 千葉大、東アジアの大気中NO2汚染が5年前のレベルに回復 総研大、チョウの複眼はどうできるかを明らかに 国立環境研、道路沿いの遺伝子組換えナタネの分布調査 産総研、防災・減災の基礎資料となる越後平野の地質図幅を作成 千葉大学は、欧米の大気環境衛星センサー(OMI)のデータを解析し、2015年の東アジア域における大気中の二酸化窒素(NO2)による汚染が5年前のレベルに回復していることを明らかにした。図は、2005~2011年(上)と2011~2015年(下)のNO2の?気中カラム濃度の年増加量の地理的分布