迷っている人の背中を押す

パナソニックの田上氏。調理家電全般の宣伝を担当している

ビストロ体験教室の仕掛け人は、パナソニック アプライアンス社 コンシューマーマーケティングジャパン本部 コミュニケーション部 WEB&宣伝課 主務の田上祥子氏。もともとは「ビストロを調理道具として、長く愛用してほしい」(田上氏)という思いから始まった、購入者向けの料理教室だった。

ビストロに限らず、オーブンレンジはその多機能さゆえに、「使いこなせない」「レンジ機能しか使っていない」という声も。しかし、それではあまりにもったいない。そこで、オーブンレンジという安くはない家電を、いつまでも長く使ってほしいというアフターフォローの意味合いで始まったそうだ。

手始めとして、2013年からWeb上のコンテンツ「ビストロ電子レンジ科」を辻調グループの監修のもと開講。ビストロで作れるレシピや使いこなし術などを紹介してきた。ただ、ビストロの購入を考えている人にも「試して納得してから買ってほしい」という思いがあり、リアルな場としてビストロ体験教室を企画したそうだ。

ビストロ体験教室がスタートした2014年には、東京と大阪の2拠点で開催。約700人が参加した。終了後のアンケートでも高い満足度であったことから、2015年には47都道府県に拠点を拡大。参加者は約4,000人と飛躍的に増え、満足度も97%と非常に高い。さらに、ビストロへの「興味が高まった」人は96%、「購入したい」人は69%(購入済みは8%)にも上る。2016年は開催拠点を約1.5倍にしたこともあり、参加者6,000人を目指す。

ビストロユーザーが購入検討中の参加者へ使い方をレクチャーする場面も見受けられた

体験教室には、購入済みのユーザーのほか、購入意向の高い人が集まるので、現在では「最後に背中をポンと押してあげる感じ」(田上氏)で機能しているという。多くが主婦1~2名だが、夫婦やカップル、親子で参加する人も多いとか。どちらか一方だけが「ほしい!」と思うのではなく、家族みんなで納得して買ったほうが円満に事が運ぶし、購入後も満足できそうだ。