パナソニックが6月1日に発売したスチームオーブンレンジ「3つ星ビストロ」の新モデル「NE-BS1300」。最上位モデルとあって、実売価格は17万円前後(税込、筆者調べ)となかなか手が出にくいお値段だ。

おそらく多くの人にとって、Webの商品紹介やカタログ、メディアのレビューなどを読んだだけ、あるいは実物を店頭で見ただけで購入を即決できる価格ではないだろう。そんな悩める人向けにパナソニックが行っているのが「ビストロ体験教室」だ。

2014年からスタートしたこの取り組みだが、2015年に47都道府県へ拡大し、2016年6月からは2015年の1.5倍となる合計70教室で開催する。高級家電を「買う前に試せる」コンセプトが受け入れられ、好評を博している様子。パナソニックの試みには、どんな意味が込められているのだろうか。

6月10日にビストロ体験教室がスタート。写真は新モデルの「NE-BS1300」

いざ潜入!

2016年のビストロ体験教室は6月10日にスタート。教室によって異なるが、12月まで開催しており、参加費は1回1,500円だ(税込)。

開催初日、一般の人に混じって、筆者も潜り込ませてもらった。この日作ったメニューは「アボカドグラタン」「野菜バター煮」「シュークリーム」だ。いずれもNE-BS1300を用いて調理していく。参加者は30~50代前後の女性。平日昼ということもあり、ほとんどが主婦の方だ。ビストロをすでに使っている人が半分、購入を検討している人が半分、といった様子だった。

料理を作り始める前に、まずは講師からNE-BS1300の紹介。ここでは個別機能にあまり触れないが、ヒーター部分が露出していない平面形状の「大火力極め焼きヒーター」や、食材の温度や大きさなどを判別する「64眼スピードセンサー」などの特徴について、実際の製品を見ながらわかりやすく説明していた。

3~4人で協力して作業していく。あっという間にできあがり、見た目もおいしそうに仕上がった

その後は3~4人で1グループになり、さながら調理実習のように参加者が協力しながら作業を進めていく。この回は全員が1名で参加していたが、手を動かしているうちに打ち解けて、終始和やかに進行。野菜バター煮をレンジ機能で作ると聞かされたとき、「レンジで煮物?」と怪訝な表情をしていた参加者も、実際のできあがりに思わず「いいね」「簡単!」という感想をもらしていた。もう1品のアボカドグラタンは、NE-BS1300で新搭載された「3素材・3ステップ」メニューのひとつ。その名の通り、3つの食材を切る・のせる・焼くだけで完成してしまうお助けレシピだ。簡単なのに見栄えも良く、もちろん味もおいしい、というだけあって参加者の評判は上々だった。

お待ちかねの食事タイムには、「おいしい!」のほか、「野菜がちゃんと柔らかく仕上がってる」「本当にここまで任せられるんだ」といった声が聞こえてきた。食事をしながら、ふだんビストロを使っている"先輩"が購入を検討している人に対して「大きいお魚を焼けるのが便利」「こうしたら揚げ物も作れるのよ」とレクチャーしている姿も見受けられた。帰り際には「手入れ方法は?」「設置するときにどのくらいのスペースをとる必要がある?」など具体的な質問が飛び交っており、購入意向の高さがうかがえる。

デザートのシュークリームは生地もクリームもビストロで作れる

調理後の"汚れた状態"で片付けも体験できるのは他にあまりない

さて、こんな料理教室を家電メーカーが主催するのは、なかなか他では見られない取り組みだ。パナソニックはなぜ、体験型の料理教室を大々的に開催しているのだろうか。