ヤフーは5月16日、同社のアプリ「myThings」とフォトシンスが提供するスマートロック「Akerun」の連携開始を発表した。同時に、iOSアプリではスマートフォンやスマートウォッチからワンタップでIoT製品やWebサービスを操作できる「ボタン」機能も追加された(Android版は実装済み)。

myThingsはIoT製品やWebサービスの機能を連携できるアプリで、「動画共有サイトで好みの動画公開されたら通知する」「気温が低い日の朝は、自動的にエアコンをつける」といった動作を、myThingsの連携機能で実現する。

Akerunは、ドアの鍵に取り付けるIoT製品で、スマートフォンを使った鍵の開閉や入退出管理を実現する。今回の連携によって、エアコンなどの家電製品を操作できるリモコン端末「iRemocon」と組み合わせて「玄関の鍵を閉めたら消し忘れた家電製品の電源を自動で消す」といった動作が可能になる。また、Evernoteなどと連携することで、ドアの開閉履歴を保存でき、防犯対策としても使用できる。

一方のボタン機能は、スマートフォンやスマートウォッチで仮想的なボタンを押すだけでIoT製品やWebサービスを操作できるというもの。同社は利用例として、帰宅途中にボタンをタップしてエアコンを起動したり、定型メッセージを送ったりといった、"日々の決まった動作"を、仮想ボタンのタップだけで実現することを提案している。

つながるサービスは48種類まで増加

myThingsは昨年7月にサービスを開始。シャープの家電製品やさまざまなIoTプロダクトを手がけるCerevo製のハードウェアから、ヤフーが提供するサービスやSlackといったソフトウェアなど48種類の製品・サービスと連携できる。今後も、連携製品・サービスはさらに拡充する見込みだ。

現況と今後の展望について、ヤフー スマートデバイス推進本部 myThingsサービスマネージャーの中村 浩樹氏と同本部の横田 結さんに話をうかがった。

ヤフー スマートデバイス推進本部 myThingsサービスマネージャーの中村 浩樹氏

――昨年7月のリリースから9カ月(インタビューは4月)が経ちましたが、予測数値に対する実際の利用状況の進捗はいかがでしょうか?

中村氏:利用者数は着実に伸びています。昨年の12月にBASE6(ヤフーの社員食堂)でユーザーイベントなどもやり、手応えはつかんでいます。つながるサービスプロダクトも48個と、リリース当初から徐々に増えていますし、特に"モノ"との連携が増えているところがポイントです。

ただもちろん、このビジネスで重要なのはユーザー数で、先の目標はいろいろとありますが、まずはユーザー数の増加に注力しています。例えば、ソフトバンクのテックカフェでIoTデバイスの展示が行われており、そこでの連携デモンストレーションであったり、IoTの消費者参加型プラットフォーム「プラススタイル」との連携も行っています。ここは、グループでシナジー効果を見据えての取り組みとなります。