ワークステーションから組み込みまで幅広くサポート
次のグラフは、ディープラーニングの市場規模の予測である。2015年~2016年の市場規模はわずかなものであるが、2024年にはディープラーニング全体の市場規模は1000億ドルを超えると予測されている。セグメントとしては、サービスとソフトが大きく、ハードウェアは全体の10%程度である。なお、5000億ドルというタイトルの数字は2015~2024年の10年間の合計である。
また、分野別では広告関係のテクノロジと投資関係の2セグメントでおおよそ半分を占めると予測されている。
そしてディープニューラルネットを開発するためのプラットフォームやツールとしては、次に示すようなものがあり、プラットフォームはTORCH、CAFFE、THEANOに加えてNYUのMinerva、ワシントン大のMXnet、企業からはGoogleのTensorFlow、MicrosoftのCNTK、日本のPreferred NetworksのChainerなどと数多くでてきて、すでに乱立という感じになってきている。
ディープラーニングのサポートという点では、NVIDIAは最先端を走っており、次の図のようにワークステーションレベルのディープラーニングシステム開発用にTITAN Xベースのシステム、サーバ用の開発システムとしてはTESLAベース、さらにDRIVE PXを使う自動車用や組込用のJETSONを使うシステムまで、幅広い品ぞろえを誇っている。そして、これらのハードをディープラーニングのSDKでサポートし、さらにCAFFE、CNTK、TensorFlowと言ったフレームワークを組み込んだ開発システムを商品として提供している。これは他社を大きく上回るサポートレベルである。
NVIDIAはTITAN X、TESLA、DRIVE PX、JETSONと幅広いディープラーニング用GPUを持ち、さらにDeep Learning SDK、CAFFEなどを組み込んだDigits開発システムを製品として提供している |
NVIDIAのディープラーニングSDKであるが、GPU用に最適化されたディープラーニング用のツールやライブラリがまとめられている。
NVIDIAのcuDNNはディープニューラルネットワークの学習を高速化するCUDAライブラリである。次の図の右側のグラフは、左から順に、Tesla K40でcuDNN v1を使った場合の性能、その左はTesla M40でcuDNN v3を使った場合で、3倍あまりと大幅に性能が向上している。右端のPascalとcuDNN v5の組み合わせでは、さらに性能が1.7倍に向上している。