実は料金面のインパクトはあまり大きくない?

LINEの舛田淳氏は、LINEモバイルの音声通話は、LINE上のIP電話の利用を前提にするという発言をしている

だがLINEモバイルは、現時点では公表されている情報が少ないため、その良し悪しを判断するのが難しいのも事実だ。いくらLINEが無料で利用できるからとはいえ、500円の範囲内でどの程度のサービスが利用できるのかが明確でなければ、評価するのは難しい。

そこで現時点で公開されている情報から、500円の基本料でどのようなサービスが提供されるのかを、可能な限り推測してみたいと思う。そもそもLINEモバイルでは、LINEが利用できることが前提となっていることから、LINEの認証に欠かせないSMS機能は確実に搭載されることとなるだろう。

一方で、LINEの取締役CSMOである舛田淳氏は先のイベントにおいて、音声通話に関してはLINEのIP電話の利用を前提としている旨の発言をしている。そうしたことから500円の範囲内では、通常の音声通話は提供されない可能性が高い。

またLINEモバイルは、LINEの通信料を無料にすることで、他のネットサービスよりもLINEを積極活用してもらうことを前提としたサービス設計がなされるものと考えられる。加えて、月額500円という低料金で提供されることを考慮すれば、高速通信容量は1GB、あるいはそれ未満と見るのが妥当といえそうだ。

では、高速通信容量が1GBで、SMSが利用できるサービスがどの程度の月額料金になるのかを、他のMVNOのサービスで確認してみると、ケイ・オプティコムの「mineo」(ドコモプラン)で800円、ソネットの「0SIM」で750円、プラスワン・マーケティングの「FREETEL SIM」で639円、DMM.comの「DMMモバイル」で630円となっている。500円という価格はそれより100円近く安い値段となるが、思いのほか劇的な差はないと見ることができる。

LINEが無料で利用できる分確かにお得ではあるものの、既にMVNO同士の価格競争が激化していることもあり、LINEモバイルが料金面で大きな影響を与える可能性はそれほど高くないと考えられそうだ。