ロームは4月13日、48Vなどの高い入力電圧から、3.3Vや5V等の低電圧に直接降圧することができるDC/DCコンバータIC技術を確立したと発表した。
近年、12Vの電源システムに比べて燃費改善効果が高く、安全性が考慮された48V電源システムを搭載したハイブリッド車に注目が集まっている。しかし、一般的な車載用MCUや制御システムを駆動させるために必要な3.3Vや5Vに、48Vから直接高圧できる電源ICは存在せず、12Vなどの中間電圧をつくり2段階で降圧する必要があった。一方、ラジオ帯域への影響を防ぐため、2MHz以上の高周波動作も求められており、こうした高入力・低出力・高周波動作といった市場ニーズを満たすためには、スイッチングオン時間を短くする必要があるが、従来の方法ではノイズの影響を受けやすく、スイッチング時間の極小化が困難となっていた。
新技術は、高耐圧MOSFETを内蔵し80V高耐圧を実現するとともに、独自のパルス制御技術によってスイッチングオン時間20nsを達成。これにより、2MHzの固定スイッチング周波数を使用しながら、48Vから3.3Vに安定して降圧することができる電源システムを実現するとしている。降圧比を大幅に向上したことでセカンダリ電源ICなどによる中間変換が不要となるほか、電流モード制御による位相補償も簡単に実現し、各種アプリケーションの高効率化や小型化、設計負荷軽減に大きく貢献するとしている。
なお、同技術は4月20日~22日に千葉県・幕張メッセで開催される「TECHNO-FRONTIER2016」に出展される予定。