ソフトバンクは3月30日、IoT製品を中心とした新製品のアイデアや試作品の商品化を支援する消費者参加型のプラットフォーム「+Style(プラススタイル)」を提供開始したと発表した。

同プラットフォームは、IoT商品などを創出したい企業と最先端のIoT商品などを購入したい消費者をつなげるというもの。商品企画に消費者の声を反映できる「プランニング」、事前に購入希望者を募り商品化できる「クラウドファンディング」、一般販売前の商品などを先行・数量限定で販売できる「ショッピング」という3つの機能を持つ。

企業が同プラットフォームを利用する流れとしては、まず「プランニング」機能を利用し、製品のアイデアやコンセプトなどをスケッチや動画を使って「+Style」に投稿することで、それに興味を持ったユーザーから意見を募集する。ここでユーザーとともに練り上げた商品企画を「クラウドファンディング」機能を使って、インターネット経由で多くのユーザーから事前に商品購入を募ることで資金調達し、商品化。これを「ショッピング」機能で販売するという流れになっている。

商品化までの流れ

企業はこのように3つの機能すべてを活用することができるほか、すでに試作中のものや、海外企業の製品で日本初進出となるものなど、製品の状況に応じて「クラウドファンディング」や「ショッピング」の段階から活用するなどといったことも可能となっている。なお、購入者の評価が高い商品はソフトバンクショップでの取り扱いも検討されるという。

同プラットフォームの第1弾として、ソニーのスマート照明「Multifunctional Light」をはじめとするIoT関連製品を中心に「プランニング」で3プロジェクト、「クラウドファンディング」で16プロジェクト、「ショッピング」で10プロジェクトと、あわせて29のプロジェクトが4月下旬までに順次スタートする予定となっている。

「+Style」でプロジェクトを開始する企業の関係者。左から、Cerevo 代表取締役CEO 岩佐琢磨氏、ソニー デバイスソリューション事業本部 新規事業部門 L-Gadget事業室 室長 横沢信幸氏、Samsung C&T Fashion Division Leader of Wearable Group Boonyoung Lee氏、ソフトバンク 「+Style」事業責任者 近藤正充氏、FBCインターナショナル 代表取締役 上野登氏、GLM 代表取締役社長 小間裕康氏/エグゼクティブ・アドバイザー出井伸之氏

またソフトバンクは、同プラットフォームの提供開始にあわせ、優れたアイデアを商品化する過程を下支えする「ものづくりサポーターズ」を結成。それぞれの分野に秀でた企業が、資金、設計、開発、生産などの面において製品やサービスの創出をサポートするというもので、初回の取り組みとして、開発ボードやセンサ類の販売、アイデアコンテストの開催を予定している。

「ものづくりサポーターズ」に参画する企業一覧

ソフトバンク 「+Style」事業責任者 近藤正充氏は「クラウドファンディングだけで終わらずに、ソフトバンクショップでの販売など、製品の流通までを考えているところが特徴である」とコメントしており、今後グローバルに向けた商品展開も視野に入れているという。

「ショッピング」のプロジェクトのひとつであるソニーのスマート照明「Multifunctional Light」の外観。照明だけでなく、エアコンやテレビなども人の動きに合わせて操作できる

デザインオフィス「nendo」をクリエイティブディレクターとして+Styleと共同で取り組む、デザイン特化型のIoT商品開発プラットフォーム「DoT(Design of Things)」もスタート。プロジェクトのひとつとして物体焼成型の3Dプリンタを利用した盆栽をデザインした。はさみを使って切り取ることでさまざまな形状を作ることができる