日産自動車(日産)は12月21日、ヒューレット パッカード エンタープライズ(HPE)、シーメンスAG(シーメンス)と共同で、グローバル開発拠点から高速レスポンスで、車両開発に関わる最新データを常時利用することができる次世代設計基盤を構築し、米国や欧州で利用を開始したと発表した。
同設計基盤はグローバルでの車両開発の柔軟性と管理の効率化を目指し、エンジニアリングVDIを採用。エンジニアリングVDIとは、高度なグラフィックス処理に対応した技術で、サーバー上に用意された3次元CADの仮想ワークステーションにアクセスすることで、デスクトップに画面を出力して操作することができる。
日産はまず、日産テクニカルセンターノースアメリカと日産テクニカルセンターヨーロッパの2カ所の開発拠点で同設計基盤の利用を開始する。これにより、同社はグローバル拠点におけるCAD業務を、拠点によらず同等にできると共に、インフラの集約・管理性を高めることで、将来のシステム導入期間やバージョンアップ費用および運用管理工数を大幅に削減できる見込みだという。また、グローバルでの車両開発に柔軟に対応することが可能となるため、順次適用地域を拡大していく予定だ。