ルネサス エレクトロニクス(ルネサス)は11月26日、人工知能ベンチャーであるクロスコンパス・インテリジェンスの人工知能技術を導入したソリューションを開発し、ルネサスグループのルネサス セミコンダクタ マニュファクチャリングの那珂工場の製造ラインで試験運用した結果、製造装置や産業機器などのリアルタイム異常検知が可能となる技術的な見通しが立ったと発表した。

ルネサスが開発したソリューションは、同社のR-INプラットフォームに人工知能技術を実装したもの。同社のR-INエンジンは低電力で高速通信・高速処理が可能なため、大量のデータを上位のネットワークに低電力かつ高速で転送することができ、CPUの処理余力に人工知能技術を実装することで、データを高度な解析モデルで処理し、上位が必要な情報のみを送信することが可能となる。これにより、これまで見ることができなかった異常をエッジデバイスで検知し、リアルタイムに生産に反映させることができるようになるとする。また、上位の分析・解析との連携で装置間状態を詳細にモデリングすることで柔軟な生産が可能となり、エッジデバイスの解析結果を上位で時系列に解析し高度な予兆保全を実現することができる。

なお、同社は12月2日から4日まで東京ビッグサイトで開催される「システム コントロール フェア2015」に出展し、那珂工場で検証した異常検知の成功事例および人工知能技術によって異常検知を簡単に確認できる技術のデモンストレーションを披露する予定となっている。