富士通研究所は11月19日、サーバ上のソフトウェアからフラッシュメモリを直接制御可能なSSDを開発し、インメモリ・データベースからのアクセスにデータ配置などを最適化することで、一般的なSSDの約3倍高速な処理性能を実現したと発表した。

全データをサーバ上のDRAMに展開することで高速な解析を実現するインメモリ・データベースでは、データ容量がメモリ容量を超えるとストレージへのアクセス遅延などで処理速度が低下するため、高速なSSDを利用してメモリを拡張する技術が求められている。

そこで、同研究所は、サーバ上のソフトウェアが個々のフラッシュメモリを直接読み書き可能なSSDと、インメモリ・データベースからの読み込みを多数のフラッシュメモリに振り分けて並列動作させるソフトウェアを開発。

試作では、広帯域なPCI Expressを活用するため、16の制御チャネルと256個のフラッシュメモリを搭載し、サーバ上のソフトウェアから個々のフラッシュメモリへ直接読み書きをすることが可能なインタフェースを備えるソフトウェア制御型のSSDを開発した。これにより、毎秒約5.5ギガバイトの転送速度を実現したという。

新規開発のソフトウェア制御型のSSD

インメモリ・データベースからのアクセスにおいて、今回開発したソフトウェア制御型のSSDとデータの先読み技術により、限られた容量のDRAMであっても一般的な従来のSSDと比べて約3倍処理性能が向上することを確認できた。

今後、同研究所は、データ読み出しの際の並列度の向上やインメモリ・データベース以外への応用などの検討を進め、本技術のサーバへの搭載を想定し、2017年度中の実用化を目指す。