OpenStack Foundation(オープンスタック・ファウンデーション)は10月16日、クラウド構築用オープンソース・ソフトウェアであるOpenStackの第12弾目のリリースとなる「Liberty」を発表し、ダウンロード公開を開始した。新バージョンはクラウドビルダーやクラウド事業者、ユーザーのニーズに対応する新機能・機能改良が加えられている。
新バージョンはアクセス・コントロール機能とシンプルな管理機能が新たに導入されており、共通ライブラリや構成管理の向上など新機能も追加し、OpenStackクラウド事業者の要求に対応。HeatオーケストレーションやNeutronネットワーキングのプロジェクト向けに、ロールベース・アクセス制御(RBAC)機能も追加されており、コントロール機能によりクラウド事業者はネットワーク/オーケストレーション機能とAPIの全レベルでセキュリティ設定の微調整に対応するなど管理機能を強化。
また、ユーザーが新バージョンを使用することでモデル更新により超大規模・複数拠点の演算環境をサポートするNova Cells v2の初期バージョンなどで、より高い性能と安定性を得ることが可能。HorizonダッシュボードやNeutronネットワーキングのCinderブロックストレージサービス、Novaの演算サービスへのアップグレード過程において、スケーラビリティと性能が向上している。
さらに、拡張可能なNova演算スケジューラ、ネットワークのサービス品質(QoS)フレームワーク、強化版LBaaS(サービスとしてのロードバランシング機能)などの新機能を通じ、パブリックとプライベートの両方の分野でソフトウェア機能が進化している。
加えて、コンテナ管理プロジェクトMagnumの初のフルリリース版を導入し、Magnumは一般的なクラスタ管理ツールであるKubernetes、Mesos、Docker Swarmをサポート。Nova、Ironic、Neutronといった既存のOpenStackサービスと連携することで、Magnumではコンテナ技術の採用が容易となっており、libnetworkなどネイティブなコンテナネットワーキングコンポーネントと直接連携する新規プロジェクトのKuryrを通じ、さらなる機能向上も計画中だ。
そのほか、拡張機能の管理や自動化、オーケストレーション用にHeatオーケストレーションプロジェクトには数十種類の新規リソースを追加し、利用可能なリソースやアクションの内容を明確化するAPIなど、管理機能とスケーラビリティの向上はすべてRBACのフィルタリングに対応する形で新バージョンに採用されている。
なお、過去6カ月間に追加された新規プロジェクトにより、Magnumのコンテナ管理機能(Kubernetes、Mesos、Docker Swarmに対応)、Astaraのネットワーク・オーケストレーション機能、Kuryrのコンテナネットワーキング機能、CloudKittyの課金機能、一般的なアプリケーションテンプレートを収録したCommunity App Catalog向けのオプション機能を実現している。