イノーバは9月16日、東京都・文京区の本社にて報道陣向けに事業戦略発表会を開催した。
同発表会には、イノーバ 代表取締役社長 CEOの宗像淳氏が登壇し、コンテンツマーケティングに特化したクラウド型ソリューション「Cloud CMO」の機能強化により、中小企業を対象とした「コンテンツマーケティングを軸とするマーケティングオートメーションツール」として刷新したことを発表した。
イノーバ 代表取締役社長 CEO 宗像 淳氏 |
中小規模のBtoB企業にフォーカスした "マーケティングオートメーション"へ
2014年10月より本格的な提供が開始された「Cloud CMO」はこれまで、コンテンツマーケティングの実践に必要な「オウンドメディアの構築」や「コンテンツ制作」「SEO対策」「アクセス解析」「メルマガ配信」「リード管理」などの機能を提供。その中でも「オウンドメディアの構築と情報発信」に注力し、Cloud CMOのほか、同社のコンテンツストラテジストが企画・設計を行い、同社の選考を通過したライターが執筆を行う「コンテンツマーケティング企画・制作サービス」などを展開してきた。
「中堅中小企業こそ、積極的に情報発信をしてほしいと思ってきました。これだけインターネットが普及し、グローバル化が進んだ社会において情報発信を行わない企業は存在しないものと同じです。しかし言い換えれば、膨大な広告費を使わずとも、企業や商品が認知されるということでもある」(宗像氏)
このようにしてコンテンツマーケティングの促進に努めてきた同社だが、中堅中小企業、特にBtoB企業のマーケターが直面する次なる課題として、「そのコンテンツを用いてどのように顧客を集客・獲得し、どのように育成していくか」だと説明する。その課題を解決するため、同社はCloud CMOの機能強化による"マーケティングオートメーション"への刷新に至ったのだ。
「集客」機能においては、Cloud CMO CMSにてオウンドメディアなどのサイトを構築することで、マーケターのみで安易に更新が行える仕様としたほか、SEO対策における効果分析と改善を可能とする「SEOキーワード管理」を実装。GoogleやYahoo!の検索エンジンにて、サイトが狙ったSEO キーワードにて上位表示できているかなどを確認することができる。また、ネイティブ広告配信サービス「logly lift」との連携により、制作したコンテンツを活用した集客を実現した。
「見込み顧客の獲得 (リードジェネレーション)」機能では、リード情報を取得するためのフォームやLP (ランディングページ)のテンプレートを用意。これにより、時間やコストをかけず、資料請求やホワイトペーパーダウンロードページを作成することが可能に。そのほか、既存のCRMとの連携機能やマーケティングのレポート機能など、今冬にも新機能の提供を開始する予定だ。
また、「検討顧客の獲得 (リードナーチャリング)」機能としては、顧客がいつ・どのサイトを訪問したかや、どのページを閲覧したかなど個人レベルでリードを管理できる機能を搭載。検討状況をアクティビティに応じて「潜在 / 興味・理解 / 比較・検討 / 導入判断」という4段階に自動で判別するため、マーケターだけでなく営業部門も顧客の確度を一目で確認することが可能となる。
なお、Cloud CMOの価格は、初期費用が10万円(税別)で、ページ作成数などに制限のあるスタンダードプランが月額7万9,800円(税別)、エンタープライズプランが月額23万9,800円(税別)。今後は、CRMだけでなく、中堅中小企業が使用するシステムや広告配信プラットフォームとの連携やパートナー制度の拡充、多言語化などを行っていく。