みなさんは、「SEO」という言葉を聞いてどのような印象をもちますか? 「時代遅れ」や「Googleの裏を突く」「順位を上げても売上には繋がらない」など……でしょうか。

もし、このようなネガティブな印象をもったのであれば、それは非常に勿体無いことです。SEOは今でも、マーケティングにおいて大きなインパクトを与える重要な存在として、一過性の流行りや知識の類ではなく、サイトの財産として蓄積されていくものだからです。

本連載では、「SEOに効くWebサイトのつくり方」と題して、SEOが重要となる理由や、検索エンジンに最適化されたWebサイトの構築方法などを複数回にわたり紹介していきます。

SEO対策=スパム は本当か?

読者の多くは既にご存知かと思いますが、SEOとは「Search Engine Optimization」の略語で、日本語では「検索エンジン最適化」と言われています。一般的に、検索エンジンとはGoogleの検索サービスを指すため、SEOとは "Googleに評価されるようにサイトを最適化する"という意味となります。

しかし多くの人は、SEOを "検索結果の上位に表示させること" だと認識しています。この考え方は間違いではありませんが、SEOの本質を掴んでいるとは言えず、非常にもったいないことだと思います。

SEOという言葉の本質とは、一体何でしょうか。

ほんの数年前まで、企業が自社サイトなどのSEO対策を行う際には、「インターネットユーザーのためになる施策か」ということをおざなりにし、「いかに検索結果の順位を上げるか」という部分だけがクローズアップされていました。

Googleの検索エンジンは、独自のアルゴリズムにそって機械的に「そのWebサイトがユーザーにとってためになるかどうか」を判断しているわけですが、その当時、アルゴリズムが未熟だったために判断するポイント(項目)がシンプルでした。例えば、「ページに沢山キーワードが入っていること」や「ほかのサイトから沢山リンクが張られていること」などが一例です。

これらの状況を意図的に作り出せば、ユーザーにとって有益かどうかは関係なく、検索結果の上位に表示される ―― その結果が、順位操作を目的としたスパム行為の横行を生みました。SEOと聞いてネガティブな印象をもつ人は、このような悪質な施策のイメージを強く持っているのではないでしょうか。

しかし昨今では、アルゴリズムの精度が向上し、従来の「順位上げだけを目的としたSEO対策」は意味をなさなくなりました。これにより、SEOの原点でもある「Webサイトに訪れるユーザーのためになるか」という視点をもったサイトが評価されるようになってきています。

一方で、「せっかくユーザーにとって有益なコンテンツが存在する良いサイトなのに、Googleへの伝え方が下手なために正当に評価されないサイト」つまり「検索エンジンに最適化されていないWebサイト構造をもつサイト」が多く存在することも事実です。そういう人々にこそ、SEOの良さを是非理解してもらいたいと考えています。

SEO対策ほど効果を感じられる施策は、無い

中小・ベンチャー企業の販促支援を行うソウルドアウトが2014年、さまざまな規模の企業に務めるWeb担当者を対象に実施した調査によると、「一番効果があったと感じた施策」としてSEOが最も多い結果となりました。この理由は、一体何でしょうか。

SEOは顕在層との相性が良い施策である

その理由の1つは、SEOが顕在層(既に自分のニーズを理解し、行動しているユーザー群)と相性の良い施策だということです。

検索エンジンを利用するすべてのユーザーは、自発的にキーワードを入力し検索したユーザーです。「検索という行為によって問題を解決する」という意識が明確なため、ユーザーのニーズとWebサイトがうまくマッチングすれば、サイト流入後の成果に繋がりやすいということでもあります。

また、「検索結果の上位に表示される」ということは、サイトの信頼性にも繋がるといいます。

外部リンクは今でも重要

SEOを理解するうえで外せないポイントとして「外部リンク」があります。

外部リンクとは、GoogleからWebサイトを評価されるために考慮したい「最も重要な指標」であると言えます。なぜなら、「サイトがユーザーのためになるか」という判断をくだす際にGoogleは、第三者からの評価を参考にするためです。斬新なコンテンツであっても誰からも賛同されなければ、それは有益とは言えない ―― 第三者から評価されて初めて、有益と言えるということなのでしょう。

この「第三者からの評価」という部分において、外部リンクが利用されています。近年、Googleアルゴリズムの進化に伴い、改めてサイトコンテンツの重要性が見直されていますが、決して外部リンクの重要性が下がったということではありません。

むしろ、これまでの「順位向上だけを目的とした人工的な外部リンク」の効果はなくなり、本当に意味のあるリンク張りによって評価されるようになりつつある今、Webサイトの運営者はどうやって第三者にリンクを張ってもらえるような「良質なコンテンツ」を発信するかというところに注力する必要性が高まっていると言えます。

SEOについて考えること=ユーザーについて考えること

SEOに関してお伝えするときや、Googleのアルゴリズムがアップデートされるとき、これまで行ってきた施策の効果がなくなるのではないかと心配する人がいます。

確かに、Googleのアルゴリズムは、大小合わせると年間数百回も修正していると言われています。しかし、Googleの目指すところは今まで一度も変わった事がありません。

Googleがサイト運営者向けに公開した「検索エンジン最適化スターターガイド」というものがあります。

同書の中で「SEOは、サイトを訪れるユーザーのために行われるべき」という記載があります。資料を公開した2009年から現在まで、Googleがこの表現を変更した事はありません。すべてのアップデートは、SEOが「サイトを訪れるユーザーのため」になることを目的としています。

私たちも、この考えに同意します。SEOをきちんと考えることは、ユーザーについて考えることだと思っています。そして、ユーザーについてきちんと考えられたサイトが、大きな成果を生むと確信しています。

次回は、検索エンジンに最適化されたサイトをつくるための考え方や、重要なポイントを説明します。

執筆者紹介

ジオコード SEO事業部

2005年2月14日に設立後、自社開発のSEOサービスを提供する。これまで3,100サイト、4,800ワード以上のSEO対策を実施。「Google Excellent Performer Award」において6期連続で受賞中のリスティング広告の運用や、SEOに適した構成を得意とするWeb制作など、一社で完結するWebマーケティングを提供している。近年は、交通費精算ツール「ネクストICカード」や営業支援ツール「ネクストSFA」などのクラウド系サービスを展開する。