インターネットを使うすべての人の経済活動のBASE(拠点)を目指す――BASEは、9月7日にオンライン決済サービス「PAY.JP」を開始した。

「PAY.JP」は、Webサービスやネットショップにクレジットカード決済サービスを導入したい開発者向けのAPI型サービス。シンプルなコードやスムーズな審査を標榜しており、開発者が簡単に導入できることが特徴だという。

基本利用料や月額料金は無料。決済手数料は、キャンペーン期間(2016年5月まで)は無料(1000万トランザクション以降は、キャンペーン期間終了後の料金を適用)。6月からは、VISA・MasterCardが3.0%、AMEX・JCB・Diners Club・Discover Cardは3.6%としている。

「PAY.JP」の取り組みは会社として、ネットショップ開設サービス「BASE」に続く第2の事業に挑戦することになる。CEOの鶴岡 裕太氏にインタビューを行った。

BASE CEO 鶴岡 裕太氏

インターネットを使うすべての人の経済活動を行うBASE(拠点)を目指す

――BASEは、2011年よりネットショップの開設・運営サービスを提供しています。今回はなぜ、新規事業として「PAY.JP」を提供するのでしょうか?

鶴岡氏
「『BASE』は、ネットリテラシーが低い方でも、インターネット上で店舗を作りたいと思った時に、すぐ簡単に作ることが可能な"拠点"として提供しています。

一方で『PAY.JP』は、Webサービスを作るエンジニアや規模が大きくなったネットショップの方が、簡単にわかりやすい決済を導入しやすいような"拠点"として提供します。

会社としては、ネットを使うすべての人の経済活動を行うBASE(拠点)になりたいと考えています。その一面が「BASE」であり、別の一面が「PAY.JP」であるため、会社としての方向性は変わりません。

また、決済は人が生きていくうえで不可欠な行動だと思うので、そこにチャレンジできることはよいなと思っています」

―― 「BASE」と「PAY.JP」の連携は?「BASE」の決済機能が「PAY.JP」に置き換わることはありますか?

鶴岡氏
「『PAY.JP』は、開発チームや決裁ルートが『BASE』と別であり、まったく別の新規事業として考えています。そのため、『BASE』の決済機能『BASEかんたん決済』を『PAY.JP』に置き換える予定はありません」

BASE

――グローバル展開の予定は?

鶴岡氏
「当然、グローバルで展開したいという思いは"強く"あります。ただ、日本市場は流通している金額がアジアの中でもトップクラスの規模ですし、EC化率も低いこともあり、まずは『日本をいかに攻略するか』に重きを置いています」

――先日オフラインイベント「WEEKEND BASE」を開催していましたが、オフラインで「PAY.JP」を利用できるようにはしますか?

鶴岡氏
「長い目で見ると当然やりたいなと思っています。ただ、短期的に見るとオンライン決済を最適化していきたい。また、そもそも決済にオフラインもオンラインもないと思っているので、将来的にはチャレンジしたいですね」

――「PAY.JP」の目標を教えてください。

鶴岡氏
「今後1年間で、1000弱の事業者へ導入を進めたと思っています。また、まずは多くの事業者に使ってもらいたいため、現状、売上は優先していません。流通総額は、1~2年後には、年間で三桁億円規模に乗せたいと思っています」