音声気分解析技術によるセルフケアツールを提供するスマートメディカルは9月1日、従業員自身が気分変動をセルフチェックでき、労働安全衛生法改正によるストレスチェック義務化にも対応するアプリケーション「じぶん予報」を提供開始した。新サービスは、NTTドコモを通じて首都圏の法人名義の契約者を対象に販売、価格は1アカウントあたり月額350円(税別)。

「じぶん予報」の画面

昨今、長時間労働や職場の人間関係トラブルなどに起因する高いストレスが原因でメンタル不全になる従業員が増加していることから、厚生労働省は労働安全衛生法を改正し、2015年12月からの企業のストレスチェック義務化を決定した。しかし、年1回のストレスチェックだけでは、高ストレス予備軍や健康な従業員のメンタルヘルスを増進する予防的側面でのケアが十分に行き届かない点を同社は懸念している。

新サービスは、「すべての働く人と企業を元気にする」をキーワードに、従業員自身による心の健康増進と職場チーム内での気分チェックにより、不調者の発見とケアに加えて、高ストレス予備軍や健康な人も含めた全ての従業員がいきいきと仕事ができる環境作りを目指し、働く人と組織の活性化を視野に入れたサービスとしている。

同サービスは、音声から気分を解析する同社の新技術「Empath」を利用し、毎日音声を入力することで、その日の気分状態を計測。また、天候情報を気分と合わせて取得し、天候に応じた気分の日内変動を予報するという。従業員は自らの気分の変動を意識することで、あらかじめストレスに対する心構えを形成できるとのこと。

チームの上長はチーム内の気分の遷移を日次で確認できるため、モチベーションを上げるための施策を早めにとることができるとしている。

「じぶん予報」の診断結果画面

同サービスは、順天堂大学医学部公衆衛生学教授の谷川武氏の監修の下で、確実に労働安全衛生法改正に準拠したサービスとして提供するという。ストレスチェックの回答率向上、高ストレス者が面接・相談しやすい仕組みの提供、職場改善のサポート、機微情報へのセキュリティなどを、システムとサービスの両面で提供していくとしている。

既に、アルバスやLassicなどのICT企業での導入が決定しており、さらにTMJではスマートメディカルと今年2月から行っている共同研究の一環として、コールセンターにおけるCS・応対・ESなどの品質向上のために利用を進める予定とのことだ。