東京都・上野の国立西洋美術館は、黄金に魅了された人類の歴史をひも解く「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」を開催する。会期は10月16日~2016年1月11日(月曜・11月24日・12月28日~1月1日は休館、ただし11月2日、11月23日、1月4日、1月11日は開館)。開場時間は9:30~17:30(金曜は20:00まで、入館は閉館の30分前まで)。観覧料金は一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円、中学生以下無料。
《ヴァルナ銅石器時代墓地43号墓出土の金の副葬品》紀元前5千年紀 ブルガリア、ヴァルナ出土 ヴァルナ歴史博物館 (c)Varna Regional Museum of History, Bulgaria |
同展は、地中海地域の古代文明がもたらした金の傑作の数々を、金を題材とする絵画とともに展示し、黄金に魅了された人類の歴史をひも解くもの。先史から有史にむかうまでの時代に、トラキア、エトルリア、ローマといった地中海地域に花開いた文明を横断し、金製品を紹介する。中でも、今から6000年以上も前に作られ、ブルガリア・ヴァルナで出土した世界最古の金製品は大きな見どころのひとつであり、発見された出土の状態のまま復元展示し、世界でも類のない古代遺跡の一端を見ることができる。
また、黄金は太古の昔から不老不死や富、権力の象徴として人々の憧れであり、ギリシャ神話の世界にも黄金の雨(ダナエ)、金の羊毛(アルゴー船伝説)、 黄金の林檎(パリスの審判)など重要なモティーフとして登場している。これら黄金をめぐる伝説は、絵画の巨匠をも虜にし、数々の名作が生まれてきた。同展では、古代の金製品と、金をテーマとした絵画が併せて展示され、金の持つ輝きと魅力、そして金に魅了された画家たちの歴史がひも解かれる。
なお、展示品は、ヴァチカン美術館、オルセー美術館(パリ)、プラド美術館(マドリード)など世界屈指の美術館をはじめ、ソフィア国立考古学研究所・博物館、フィレンツェ国立考古学博物館、ヴィラ・ジュリア国立考古学博物館(ローマ)などから出展されており、日本初公開の作品も含まれるということだ。