LEXUSは、2015年6月に発表した空飛ぶスケートボード「LEXUS ホバーボード」をつくるプロジェクト「Amazing in Motion」の全容を公開した。

同プロジェクトは、「不可能と思われることを可能」にし、「動き(motion)を通して楽しさを想像したい」という思いを元に、同じ情熱を持つパートナーと協業で空飛ぶスケートボード「LEXUS ホバーボード」を開発するというもの。「LEXUS ホバーボード」は「LEXUSのデザインや技術に対する想いを形にした」ものと位置づけられたプロトタイプで、低温保持装置をふたつ備え、その中で超伝導体が液体窒素によってマイナス197度まで冷却されて永久磁石のレールの上に置かれることで、本体が浮上する仕組みとなっている。

また、このプロジェクトのパートナーとして、磁気浮上技術を専門とするIFW Dresdenとevico GmbHから科学者チームが開発に参加。そのほか、プロスケーターのロス・マクグラン氏が、「LEXUS ホバーボード」のための技術を組み込んだ特設ホバーパークにてテストライディングを実施。現在公開されている動画は、テスト走行の様子をカンヌライオンズフィルム部門金賞などの受賞歴を持つヘンリー=アレックス・ルビン氏が撮影したもので、動画内にはドローンを活用して撮影したと見られる場面もある。

産業/輸送用の超伝導磁気ベアリングを開発するevico GmbHのCEO オリバー・デ・ハス氏は「レールの磁場がホバーボードの超伝導体の中に『凍結』されることで、ボードとレールの間に一定の距離が保持され、浮くことができる。この力は、ホバーボード上で人が立ったりジャンプしたりできるほど強いものだ」と語った。その一方、テストライダーのロス・マクグラン氏は「20年間スケートボードをしてきたが、摩擦のない状態でホバーボードに乗るためには、特に姿勢やバランスについて一から技術を習得しなければならなかった。すべてが新しい経験だった」とコメントした。

なお、「LEXUS ホバーボード」は先述の通りプロトタイプで、販売の予定はないということだ。