東北大学は7月30日、国際宇宙ステーション(ISS)の「きぼう」日本実験棟において、微小重力環境を利用したお酒のまろやかさの形成に関する研究に協力すると発表した。

これまでの研究で、液体の対流を抑制した環境では、お酒の分子構造の高次化が促進し、まろやかさが形成される可能性が示唆されている。今回の実験では、微小重力環境によってもたらされる無対流状態において、お酒のまろやかさへの効果を検証する。

具体的には、8月16日に打ち上げが予定されているISS補給機「こうのとり」5号機にサントリーで製造した酒類(40%アルコール水溶液と熟成期間の異なる5種類の蒸溜酒、計6サンプル)を搭載し、「きぼう」日本実験棟に運んだ上で、「きぼう」へ運んだサンプルと、同じサンプルで同期間日本国内で保管されたものを解析し、両者を比較する。サンプルは2つのグループに分けられており、第1グループは約1年間、第2グループは2年以上の複数年にわたって実験を行う。

「こうのとり」5号機 (C)JAXA