住友電気工業(住友電工)は4月15日、従来250~270MPa級の許容引張り強度を有していた高強度ビスマス系高温超電導線材の引張り強度を強化し、400MPa級超へと引き上げることに成功したことを発表した。
同超電導線材を用いることで、線材がより大きな電磁力を受けることが可能となり、従来の高強度線材では実現できなかった20T超程度の超高磁場領域や大型のマグネットでの利用も可能になるという。また、既存の銅線並びに金属系超電導線材と比べても高い電流密度を有するため、各種装置類の小型化も可能となるほか、同線材の持つ超電導線材としての高い次元の基本性能により、磁場の精度や安定性をより高めることも可能なため、各種装置類の高感度化も図ることができるようになるという。
さらに、従来の高強度線材と比べて、許容両曲げ直径の約30%低減を実現しており、これにより曲げ径がより小さいコイルなどへの適用も可能になるとする。
なお同社では、同材料を超高強度超電導線「DI-BSCCO Type HT-NX」として販売していくとするほか、今後は、臨界電流値200A超のビスマス系高温超電導線材の量産体制の整備を目指していくとしている。