SAS Institute Japan 執行役員 マーケティング本部 兼 ビジネス推進本部 本部長 北川裕康氏

SAS Institute Japanは3月26日、企業がオムニチャネル・マーケティングを実践するための新コンセプト「Customer Decision Hub」、それを実現する顧客分析・統合マーケティング製品「SAS Customer Intelligence」の最新版を提供開始したと発表した。

執行役員 マーケティング本部 兼 ビジネス推進本部 本部長 北川裕康氏は、同社が3000人以上のマーケティング・エグゼクティブと働くことで、マーケティング部門に期待される3つの役割を見出したと語った。

3つの役割とは「あらゆるデバイスおよびマーケティング・チャネルにおける一貫した顧客エクスピリエンスの提供」「マーケティング・プログラムのROIの提示」「顧客や見込み顧客の全デジタルチャネルを通した行動を理解し、顧客レベルでのインサイト・インテリジェントを引き出すこと」だ。

これらを実現するコンセプトが、企業がオムニチャネル・マーケティングを実践するための新コンセプト「Customer Decision Hub」となる。

SAS Institute Japan Customer Intelligenceグループ ソリューションコンサルティング第一本部 部長 小笠原英彦氏

「Customer Decision Hub」および「SAS Customer Intelligence 6.4」については、Customer Intelligenceグループ ソリューションコンサルティング第一本部 部長の小笠原英彦氏が説明を行った。

小笠原氏は、「従来のオムニチャネルは""O2Oの延長や"ネット情報の有人チャンネルの連携"にとどまっているが、真のオムニチャネルは顧客に応じてすべてのあらゆるタッチポイントを駆使するものとなる。これを実現するには、GUIでチャネル横断のビジネスシナリオを作成して、リアルタイムでのチャネル連携基盤を構築する必要がある」と述べた。

同社は、真のオムニチャネル・マーケティングを実現するプラットフォームに必要な機能要件「カスタマー・シングルビュー」「高度な分析機能」「シナリオ設計・管理/コンタクト管理」「チャネル間を連携するリアルタイム基盤」「最適化エンジン」を、「Customer Decision Hub」としてまとめている。

小笠原氏は、「Customer Decision Hub」の特徴として、「インバウンドとアウトバウンドを組み合わせたマーケティング・シナリオを実現」「インバウンドをもとにNext Best Offerを特定するリアルタイム・アナリティクス」を挙げた。

「Customer Decision Hub」の概要

「Customer Decision Hub」を具現化するのが「SAS Customer Intelligence 6.4」となる。バージョンアップにあたって、WebベースのGUIで全製品が統合された。同製品は、「SAS Marketing Automation」「SAS Real-Time Decision Manager」「SAS Marketing Optimization」から構成される。

「SAS Marketing Automation」は、マーケティングのPDCAサイクルを実装する統合マーケティング基盤の基本コンポーネントで、顧客の理解からキャンペーン管理・運営まで、アウトバウンドに関する処理をサポートする。

「SAS Real-Time Decision Manager」は、顧客チャネルにおける最適な提案をリアルタイムに分析・決定を行い、インバウンドに関する処理をサポートする。

「SAS Marketing Optimization」は企業側の活動をサポートするコンポーネントで、マーケティング・キャンペーンの実施規模と対象の数理的な最適化が行える。

「SAS Customer Intelligence 6.4」の構成

小笠原氏は、「SAS Customer Intelligence 6.4」の最大の特徴は、「データ蓄積」「マイニング」「レポート/BI」「データ収集・統合」「アウトバウンドキャンペーン管理」「リアルタイムシナリオ管理」といった、マーケティングのPDCAサイクルに必要なすべての機能をシングルプラットフォームで実現できることと語った。データもメタデータとして一元管理されている。

他社製品の場合、各機能に最適な製品を組み合わせることになるため、機能間を連携させなくてはならなくなるという。

グローバルで同製品を導入している企業は、銀行や証券会社が多く、これに流通や小売りが続くという。