NTTデータと東京聖新会、ユニバーサルアクセシビリティ評価機構は3月24日、東京聖新会が運営する東京都西東京市の特別養護老人ホームにおいて、コミュニケーション・ロボットによる高齢者支援サービスの実証実験を3月25日から開始すると発表した。
同実験では、特別養護老人ホームに入居している高齢者を対象に、コミュニケーション・ロボットを利用した介護支援サービスの実現可能性を検証する。実験期間は3月25日から5月29日の約2カ月間。対象者は施設に入居する高齢者2名、介護職員4名、ケアマネージャ2名、医師1名、看護師1名の計10名程度。設置ロボット数と設置センサー数は、各高齢者に対しそれぞれ1台ずつ。
ヴイストンのコミュニケーション・ロボット「Sota」が利用者と直接対話を行い、利用者の音声データは生活環境に設置した起床データ、脈拍データを取得するための離床センサーや在室データを取得する人感センサーのデータとともに、NTTデータが研究開発中のクラウド・ロボティクス基盤にネットワーク伝送する。
クラウド・ロボティクス基盤では収集したデータを統合的に解析し、利用者の生活状況を認識。その状況に応じて、コミュニケーションロボットが声がけや対話を行うことで安否確認や転倒予防、服薬確認等の介護支援サービスを実施することが可能かを検証する。
コミュニケーションロボットの音声対話機能には、NTTメディアインテリジェンス研究所が開発した音声認識技術を始め、ユーザーの意図を把握することができる対話制御技術、人間の発話に近い音声を作り出す音声合成技術、収集対象の音声だけを捉える集音技術を活用するという。
今後は同実験の結果を元に、在宅や施設で生活する高齢者を対象とした見守りや健康管理、認知症早期発見など高齢者支援サービスのソリューションを実用化し、日本国内への展開などを通じて地域包括ケアシステムの構築を推進していくとのことだ。
今回の実験の終了後、2015年6月からは在宅環境で実証実験を行う予定。これらの成果をベースに検証を進め、2016年度を目途に商用化を目指すとしている。