スマートフォンやタブレットがビジネスの場でも活用される機会が増えてきているが、そういったメリットを享受するのは社外での作業の時で、社内ではデスクトップPCを有線LAN経由で社内ネットワークに接続しているという企業はまだまだ多い。

その理由の1つとして、ICT担当者の不足や導入・運用に対する不安、トラブルが発生した際にどういった対応をするべきかよくわからない、といった、安定かつ安全なWi-Fi環境の構築・運用に対するノウハウ不足が挙げられる。

しかし、その一方で、「インストールの手間を削減」、「最新バージョンの機能がすぐに使える」、「ライセンス料金の節約が可能」といったメリットをユーザーや経営者にもたらすクラウドサービスがビジネスの場でも活用されるようになってきており、IT投資を抑制しつつ、これまで以上に業務の生産性向上や新たな事業機会の創出を図っていきたい中堅・中小企業での利用は必須となってきている。特に、クラウドストレージやクラウドメールの活用は、いつでも・どこでも、さまざまなデータのやり取りを可能にするため、企業にとって欠かせないサービスとなりつつある。また、マイクロソフトの「Office 365」のように、クラウドベースで活用可能なオフィス系ソフトも登場してきており、今後はますますクラウドサービスの企業での活用が促進されることが予想される。

設定不要で、トラブルもプロが対処してくれるクラウド型のWi-Fiサービス

こうしたクラウドサービスを活用したいと思いつつ、上述のような理由から導入を躊躇する、もしくはコンシューマ向けに提供しているクラウドサービスに頼る、といった企業も多いことだろう。だが、そうした不安の1つである無線ネットワーク環境の構築(速度や接続安定性、通信停止時の対応)をクラウドサービスと同等の手軽さで企業内に導入できるサービスが存在している。それがNTT東日本が提供する「ギガらくWi-Fi」だ。

その最大の特徴は、何といっても「Wi-Fiのアクセスポイント装置(AP)」の設定を、NTT東日本で事前に行ってくれているので、ユーザーは既設のLANの変更やシステムへの設定追加などは基本的に行わず、社内の有線LANケーブルにAPを接続するだけで、Wi-Fi環境を活用することが可能になる点。また、導入だけではなく、運用においても、"Wi-Fiがつながらない"といったトラブルが発生した際に、プロがクラウド経由で迅速に問題の解決を図ってくれるほか、複数拠点のWi-Fiも一括管理してくれるため、オフィスが全国各地に点在している企業でも、手間をかけずに運用できるという点も魅力だ。

利用開始までの流れのイメージと、トラブル発生のサポート対応のイメージ(出典:NTT東日本Webサイト)

ちなみにAPはWi-Fi規格の中でも最新かつ最大1.3Gbpsの高速通信が可能なIEEE 802.11acに対応しているほか、来客向けに限定したWi-Fiインターネット環境を、社内で利用するWi-Fiインターネット環境とは切り分けて提供する機能やWi-Fiに接続できる端末を制限する機能なども搭載しており、パッケージとして提供されているので、より柔軟なWi-Fiの活用が可能となっている。

「ギガらくWi-Fi」の利用イメージ (出典:NTT東日本Webサイト)

気になるのはその利用料金だが、初期費用は不要。月額利用料金もAP1台当たり2980円(税別)から、となっており、従業員や拠点の増加などの会社の成長に合わせて追加していく、といったことも可能だ。また、月額4480円(税別)からの「ハイエンドプラン」では、無線アクセスの認証をFacebookのチェックインで代替できる「Facebook WiFi」機能を提供。これにより来店者はFacebookにログインし、店舗にチェックインするだけでWi-Fiの利用が可能になる一方、店舗側もチェックイン後のアクセス情報をFacebookの統計情報として利用できるようになるため、マーケティング施策などへの活用につなげることが可能となる。さらに、配線をせずにWi-Fiエリアを拡張可能な「無線マルチホップ機能」や、SSIDごとに、モバイル端末の接続や指定のアプリケーションの利用を制限させる「ファイヤーウォール設定機能」、複数台のAPから発信される電波同士を調整することで、干渉を減らし、APのパフォーマンスを最適化する「電波出力自動調整機能」なども提供される。

運用や設定の手間やコストを抑制しながら、快適な業務環境を実現したい、といった企業には、ギガらくWi-Fiはきっと有効な手段となるはずだ。

NTT東日本が提供している「ギガらくWi-Fi 機能紹介(簡単にすぐに使える編)」の動画。なおNTT東日本によると、最大通信速度1.3Gbpsは、利用しているモバイル端末がIEEE802.11ac対応で、最大通信速度1.3Gbps以上の場合であり、この最大通信速度はWi-Fiアクセスポイント装置とモバイル端末間における技術規格上の最大値であり、実使用速度を示すものではないことに注意する必要があるとするほか、Wi-Fi区間に電波を通しにくい遮へい物がある場合、同じ無線周波数帯を使用する機器が存在する場合など、利用環境によって通信ができない、または通信速度が大幅に低下することがあるとしている。また、メーカーの公式サポートが終了した端末のWi-Fi設定など、問い合わせ内容によっては、対応できない場合があるとしている