京都府・山科の青蓮院・将軍塚青龍殿にて、透明なガラスで構築された茶室を将軍塚青龍殿大舞台に展示する「吉岡徳仁 光庵ーガラスの茶室」が開催される。会期は4月9日~2016年4月(終了時期未定)。拝観時間は9:00~17:00。拝観料金は大人500円、中高生400円、小学生父兄同伴無料。
同展は、2002年に構想された「透明な日本家屋」の建築にはじまり、2011年に開催された第54回ベネチアビエンナーレ国際美術展Glasstress 2011にて日本文化を象徴する茶室建築プロジェクトとしてデザインが発表された「ガラスの茶室-光庵」を青蓮院・将軍塚青龍殿の標高220メートルの大舞台に展示するもの。京都・フィレンツェの姉妹都市提携50周年を記念して、京都の重要文化財にも指定される青蓮院の飛び地境内、青龍殿にて、世界で初めて同作品の実物が披露されることとなった。
同展の開催に際し、日本人の自然観に関心を抱く吉岡氏は、エネルギーやオーラのようなものを空間から知覚する、日本独自の自然に対する解釈としの空間性に着目。「光庵」の透明なガラスで構築された茶室という小宇宙的な空間から、自然の要素を感知し、自然と一体化することで、日本の思想・文化の原点を見ることができるのではないか、と考えたということだ。
なお、吉岡氏は、デザインからアートと幅広い領域において自由な着想と実験的な創作から生まれる作品によって、世界に強く影響を与える創り手の一人として世界のデザイン賞を多数受賞するなど、国内外で高く評価され、同氏の作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンビドゥーセンター、ビクトリア アンド アルバート博物館など、世界の主要美術館で永久所蔵されている。