島津製作所は1月23日、大阪大学大学院 情報科学研究科 バイオ情報工学専攻 代謝情報工学講座との共同研究の成果として、「LC/MS/MS MRMライブラリ代謝酵素(酵母)」を発表した。価格は120万円(税抜き)。
同製品は、微生物による物質生産の研究において、迅速かつ簡便に同社のLC/MS/MSを用いた代謝酵素の定量プロテオミクスを行えるようにしたライブラリであり、バイオエタノールなどの物質生産や真核生物のモデル生物として基礎研究が行われている出芽酵母の中央代謝経路に関連する228種類の代謝酵素を測定するための分析条件(計3584 MRMトランジション)を収録している。従来の方法は、1つのタンパク質に対する測定条件の開発フローに約8時間といった長時間を要することが課題だったが、ラボで検証済みの同メソッドによって、スムーズに分析業務を開始することができる。さらに、安定同位体で標識したペプチドのMRM条件も収録しており、生育条件や遺伝子型などの異なるサンプルにおける代謝酵素の存在量の差異を、高い精度で解析することも可能となっている。
また、代謝酵素の定量プロテオミクスをより身近なものとする同ライブラリによって、バイオ燃料開発などの生物工学分野をはじめ、酵母を活用した高品質な食品開発や酵素の機能解析などの食品化学分野、生化学、メタボロミクス分野などの最先端の研究開発をサポートするとしている。