フリースケール・セミコンダクタ(フリースケール)は11月17日、OpenCL(Open Computing Language)ベースの車載開発環境の提供をまもなく開始すると発表した。
現在の「自律走行車」の実現に向けて、自動車メーカーや車載機器メーカなどが先進運転支援システム(ADAS)の開発を進めている。しかし、同社によればオープンな標準規格が欠如しており、各社が閉鎖的なADASシステムを独自開発しているため、革新的な設計が生まれにくい状況にあるという。
OpenCLは、プラットフォーム間で共有ができ、並列プログラミングを対象とするオープンなロイヤリティフリーの標準規格。今回フリースケールが、ADASシステム向けのOpenCL開発環境を提供することで、フリースケール製半導体製品を対象として、ADAS開発プロセスの「民主化」が実現し、研究開発費の削減が期待できるという。
また、同社は自律走行車の開発には、実現信頼できるセキュア・ソリューションが必須だとし、「ゲーム・グラフィックスの強化やスマートフォン・アプリの実行を目的として設計された民生用半導体ソリューションでも十分安全であり、車載アプリケーションにも利用可能で、自律走行の品質や信頼性を確保できる」という考えは間違っているとコメント。車載グレード要件向けに新規設計された専用製品を通じてADASの安全性と品質を高めるよう業界に提案した。