Texas Instruments(TI)は、同社のオートモーティブ・プロセッサ・シリーズ「Jacinto 6」に新たなプロセッサ「DRA75x」を追加し、「Jacinto 6 EP」ならびに「Jacinto 6 Ex」として提供すると発表した。
Jacinto 6 EPは、従来のJacinto 6のすべての機能に22GFLOPS/60GMACSの演算性能を発揮する1.4GHzのDSP性能よペリフェラル群を追加したもので、高性能を要求されるI/O要件を持つ、一定のインフォテインメント・システムに必要な追加のUSB、ビデオ入力やPCIeインタフェースを内蔵しているため、BOMコストの削減が可能。また、第2のDSPコア「TMS320C66x」が総合で1.4GHzの信号処理能力を提供するため、複数のカメラからの情報を1つやサラウンド・ビューまたはオーバーヘッド・ビューに動的に合成するなどのイメージ操作に使用することができるほか、追加されたDSP性能を使って、マルチ・チューナー、アンテナダイバーシティやバックグラウンド・スキャニングを活用したマルチ・モード設定などのラジオ構成の拡張、オーディオと音声の処理、アクティブ・ノイズ制御(ANC)、音声認識なども実現可能だという。
一方のJacinto 6 Exは、高度情報ADASとインフォテインメントの機能を同時に実現する、2個のEVE(エンベデッド・ビジョン・エンジン)を搭載することで、高い統合性を提供する製品。高度情報ADASでは、車内と車外のカメラを活用して、自動車の能動的な制御なしで、障害物や歩行者の検知、拡張現実(AR)ナビゲーションや運転者の識別をはじめとしたドライブ体験を向上する機能を実現することが可能になるという。
なお、Jacinto 6 EPとJacinto 6 Exの「DRA75x」プロセッサは、すでサンプル出荷中であり、量産出荷は2014年第4四半期の予定だという。