Texas Instruments(TI)は11月4日、エントリレベルからミドルレベルまでの自動車における先進運転支援システム(ADAS)アプリケーションの実現に向けた車載用SoCファミリとして「TDA3x」プロセッサファミリを追加したと発表した。

同ファミリは、従来のTDAシリーズなどと同一のアーキテクチャを採用し、前方カメラやサラウンド・ビュー、スマート後方カメラやレーダーなどを追加したフュージョンなどの従来アプリケーションを拡充し、車線逸脱防止アシスト、アダプティブ・クルーズ・コントロール、歩行者や障害物の検知、前方衝突警報や後方衝突の防止など、複数のADASアルゴリズムをサポートすることを可能としている。そのため、コストを重視しながら歩行者や自転車に対する緊急自動ブレーキ(AEB)、前方衝突警報(FCW)や車線逸脱防止アシスト(LKA)といった、NCAPプログラムに対応するためのADASアプリケーション開発を可能とする。

また同SoCは、固定小数点と浮動小数点との両方をサポートした同社のDSPコア、エンベデッド・ビジョン・エンジン(EVE)「TMS320C66x」を含むフル・プログラマブルのVision AccelerationPac、ARM Cortex-M4デュアルコアのほか、イメージ・シグナル・プロセッサ(ISP)や多数のペリフェラル群を備えた、スケーラブルなアーキテクチャを採用しており、同社のVision SDK(ソフトウェア開発キット)ライブラリの活用により、同一プラットフォーム上で、低価格から高価格帯までの幅広い自動車製品向けのADASソリューションを、投資を抑えて少ない開発コストで、短期間に市場投入することを可能としている。

さらに、同SoCは、自動車向けにパッケージ・オン・パッケージ(PoP)を提供し、ADAS用カメラやレーダー・システムの小型化を実現する予定で、Micron TechnologyやISSI、Winbondなどの複数のメモリベンダが、同SoC向けのカスタムPoPメモリを供給する予定だとしている。

なお同SoCはすでにサンプル出荷を開始しており、15mm角の製品と、PoPパッケージの12mm角の製品とが供給され、EVEとDSP向けのライブラリ群を含む同社のVision SDKが付属するという。