日本HPは10月2日、全機種にIntel Xeon E5-2600v3ファミリーを採用した新世代のx86サーバ群「HP ProLiant Generation 9」7機種を発表した。同日から販売が開始される。

発表された「HP ProLiant Generation 9」

今回発表されたのは、ブレード型の「HP ProLiant BL460c Gen9」、ラックマウント型の「HP ProLiant DL160 Gen9」、「HP ProLiant DL180 Gen9」、「HP ProLiant DL360 Gen9」、「HP ProLiant DL380 Gen9」、タワー型の「HP ProLiant ML350 Gen9」、「HP Apollo 6000 System」向けのサーバカートリッジ「HP ProLiant XL230a Gen9」。

同社は「HP ProLiant Generation 9」を発表するにあたり、サーバを「Compute」に再定義すると発表。

日本HP 執行役員 エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部長 手島主税氏は、「Compute」の意味を、「多様化したワークロードに最適化されたコンピュータリソース」だと説明した。

「HP ProLiant Generation 9」はワークロード特化型サーバ

日本HP 執行役員 エンタープライズグループ事業統括 HPサーバー事業統括本部長 手島主税氏

サーバを再定義した理由について同氏は「HPは昨年50周年を迎え、今年は51年目となり、非常に重要な年だ。HPは18年連続x86サーバでNo.1で、これからもリーダーシップをとっていく。そのためにサーバを再定義した。HPでは『汎用・ビジネスアプリケーション』、『ミッションクリティカル領域』、『仮想化/クラウド環境』、『ビッグデータ、HPC、Web』を4大ワークロードとして定義しており。これらのワークロードに最適化したComputeを提供する」と述べ、その上で「2014年をワークロード特化型元年」と位置付けた。

HPが定義する4大ワークロード

4大ワークロードに向けたGeneration 9の強化ポイント

「HP ProLiant BL460c Gen9」は、仮想化・クラウド環境ワークロード向けに最適化されたブレードサーバで、最大18コアのIntel Xeon E5-2600 v3を2基搭載し、16個のHP SmartメモリDIMMスロットに最大512GBのDDR4メモリを搭載できる。また、12Gb/s SASやFlex-20に対応することで、ストレージ帯域やネットワーク帯域をそれぞれ2倍に拡張している。 また、「FlexibleLOM」に対応することで、EthernetとFCを統合したコンバージドネットワークアダプタやVXLAN, NVGREなどの仮想ネットワークに対応したアダプタを利用できる。

そのほか、ASHRAE(米国暖房冷凍空調学会)環境基準A3に適用、最大40度の動作環境を保証する予定。

「HP ProLiant BL460c Gen9」

「HP ProLiant DL160 Gen9」はオープンソース、Webアプリケーション、サービスプロバイダーなどのワークロードに対応する1Uラックマウントサーバ。価格は29万円(税別)~。

「HP ProLiant DL180 Gen9」は、汎用・ビジネスアプリケーション用の2Uラックマウントサーバで、システム最適化、小型化を行い、従来の2Uサーバよりも奥行10cm短縮、2kg軽量化している。価格は33万3,000円(税別)~。

「HP ProLiant DL160 Gen9」

「HP ProLiant DL180 Gen9」

「HP ProLiant DL160/180 Gen9」の特徴

「HP ProLiant DL360 Gen9」は、高密度で高性能を必要とするワークロードに最適な汎用1Uラックマウント型サーバで、今回特に内部構造の小型化、最適化を行ったことでI/Oオプションの搭載数が増加、1Uながら2Uサーバ並みの拡張性を実現する。価格は51万5,000円(税別)~。

「HP ProLiant DL380 Gen9」は、データベース、ERP、データ分析など高負荷ワークロードに最適な汎用フラグシップサーバで、新製品では内部構造の小型化、最適化を行ったことでストレージ、 GPU、PCIオプションの拡張性が充実。最大90TBのストレージ容量をサポートし、ネットワークは4x1GbE、FlexibleLOMスロットも装備する。価格は57万9,000円(税別)~。

「HP ProLiant DL360 Gen9」

「HP ProLiant DL380 Gen9」

DL160/DL180/DL360/DL380のいずれもIntel Xeon E5-2600 v3を最大2基搭載でき、DL160/DL180は最大512GB、DL360/DL380は最大768GB DDR4メモリを搭載できる。4機種ともASHRAE環境基準A4に適用、最大45度の環境を保証する予定。

「HP ProLiant DL360/380/ML350 Gen9」の特徴

「HP ProLiant ML350 Gen9」は、拠点向けのビジネスサーバの中でも最上位に位置する5U 2ソケット タワー型サーバ。最大144TBのストレージを搭載でき、Intel Xeon E5-2600 v3を最大2基、最大768GB DDR4メモリを搭載できる。価格は34万円(税別)~。

「HP ProLiant ML350 Gen9」

「HP ProLiant XL230a Gen9」

そして、「HP ProLiant XL230a Gen9」は、HPCやサービスプロバイダーなど高密度実装を求めるワークロードに最適な「HP Apollo 6000 System 」用モジュラー型サーバトレイで、lntel Xeon E5-2600 v3を最大2基、最大512GBのDDR4メモリを搭載できる。価格は46万7,000円(税別)~。

「HP ProLiant XL230a Gen9」の特徴(右)

なお、今回の発表は「HP ProLiant Generation 9」の第一弾で、今後も追加で発表するほか、Gen9をベースとした統合型アプライアンスシステム(垂直統合システム)「HP ConvergedSystem」も発表する予定だという。