MSDは9月26日、新規作用機序の不眠症治療薬「ベルソムラ錠15mg/20mg(一般名:スボレキサント)」の製造販売承認を取得したと発表した。
同治療薬は覚醒を維持する神経伝達物質であるオレキシンの受容体への結合をブロックすることで、過剰な覚醒状態を抑制し、脳を覚醒状態から睡眠状態へと移行させるため、より生理的なプロセスで眠りをもたらすという。
現在、日本では成人の3人に1人が、「寝つきが悪い」「睡眠中に何度も目が覚める」「朝早くに目が覚める」など何らかの不眠症状に悩んでいるとされる。不眠症は日中の生活の質を低下させ、うつ病の危険因子であることが明らかにされており、糖尿病や高血圧の有病率も高いことが報告されている。
同社は「『ベルソムラ』が、日本における不眠症治療の新たな選択肢の一つとなり、患者さんおよび医療従事者の皆さんに貢献できるよう努力していく」とコメントしており、同日開設された疾患啓発サイト「快眠ジャパン」を通じて、不眠症に関する情報をわかりやすく提供していくという。