情熱を抱ける仕事にフォーカスすべきというが、かといって現実的に考えると今の仕事を続けなければ生活が成り立たない。無一文でスタートして成功する小説のような人生を実現するにはリスクが大きすぎる。
だが現実的に、計画的に、情熱を持ち続けられるようにすることは不可能ではない。Open Forumが「健全にパッションを追求する(原題:How To Pursue Your Passion Without Sacrificing Your Sanity)」でポイントを伝えている。
情報収集
まずは情報集めからスタート。自分がやりたいこと、情熱のある業界について調べよう。失業率や求人情報、平均年収といった情報だけではなく、どんな資格が必要か、どんなルートでその業界に入っているのかなどの体験談を得られるとさらに役立つ。
なんらかの教育を受ける必要があるとなれば、学校を探し、スキルや資格を獲得するまでの費用と時間を計算しなれければならない。計算してみて現在のライフスタイルを維持するのは難しいとわかれば、家賃の安いところに住み替えるなどの行動を起こせる。
ひょっとすると、情報を集めるうちにあこがれの業界が違って見えてくるかもしれない。それもそれで一つの答えだ。情報が多いほど現実的になれるし、見通しも立てやすい。
現在あるものを最大活用しよう
情熱は「0」か「1」か、ではない。現在の生活にその情熱を取り込むことは十分可能だろう。人の役に立ちたいと思うのなら、会社を辞めることなく週末にボランティアというのもアリだ。
例えば、パンやお菓子作りが大好きなら、会社を辞めてベーカリーをオープンするのではなく、まずは地域のバザーで自慢のパウンドケーキを販売するというのはいかがだろうが?
自分の夢が、改めてどれほど本気なものか考えてみよう。ひょっとするとベーカリーを持ちたいのではなく、現在の勤務や生活に対する不満の方が大きいのかもしれない。
新しいスキルを身につけるよりも、現在の持ち場や今あるものを維持する方が簡単だ。家庭を持っているなどの経済的責任が大きい場合はなおさらだ。今あるもの、今の状態から情熱を得られないかを考えてみよう。
コネをつくる
いきなり会社を辞めるのは無謀だ。情報収集して見通しを得て、自分のやりたい方向に迷いがないとわかったあとには、次のステップとしてコネを作ろう。
ベーカリーをオープンしたいのであれば、地元の役所で必要な情報を得て、同じような業種のネットワークに参加しよう。ネットにも掲示板やFacebookグループのようなものがあるかもしれない。
助言を求める前に、まずはしっかりしたネットワークを作っておくこと。生の声を聞くことができれば、何をしなければならないのかといったステップが見えてくるし、もっと現実的な計画を立てられるだろう。
災害対策
災害対策といっても、地震などの災害だけではない。経済的に行き詰まったときにどうするのか、ちゃんと想定しておこう。
また、年に1回しかない試験に落ちてしまうといった必要な資格を取るのに手間取る可能性もある。予定していた場所のすぐ近くに同じようなショップがオープンしてしまった、なんてことも考えられる。
現在の貯蓄でどれほど暮らしていけるのか、足りなくなった時はどうやって収入を得るのかなど、バックアップのプランを考えておこう。