PEZY Computingは9月5日、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の平成24年度戦略的省エネルギー技術革新プログラムの支援を受ける形で、世界最大規模となる1024コアを集積しながらも省電力を実現したメニーコアプロセッサ「PEZY-SC」を開発し、本格的な事業展開を開始したと発表した。
PEZY-SCは、PEZYが独自開発した演算コア(PE)を1024個搭載し、それぞれのコアを完全に独立させて並列に実行させることで、演算性能3.0TFlops(単精度)、1.5TFlops(倍精度)を実現するプロセッサ。プロセッサ単体動作時の消費電力は60Wで、消費電力効率としては世界最高レベルとなる50GFlops/W(単精度)、25GFlops/W(倍精度)を達成している。
また同社では、同プロセッサを4個搭載して、PCI Express(PCIe)ボードに128GBのDDR3メモリを搭載した「PEZY-SC Quadボード」や、ならびに同プロセッサを2個搭載し、32GBのDDR4メモリを搭載した「PEZY-SC Dualボード」も開発を完了しているほか、同プロセッサを1個搭載し、32GBのDDR3メモリを搭載した「PEZY-SCモジュールカード」も開発済みとのことで、主にHPC分野や産業用組込み分野に向けて出荷を行っていく計画としている。
すで今年度中にも国内の研究機関において、200TFLOPS 級のスーパーコンピュータの基幹演算処理装置としての試験的な運用を実施する計画もあり、同スーパーコンピュータでは256個の同プロセッサが用いられる予定だという。
なお、同プロセッサの概要は以下のとおり。