古野電気は9月2日、国内の技術基準適合証明を取得した免許・登録不要の狩猟用発信器(GPSマーカー)として、位置・音声一体型端末「Dog Navi」を発表した。11月より発売する。

狩猟業界においては、2008年の電波法令改正により、総務省令および告示で定める技術基準に適合することを示す「技術基準適合証明」、または「工事設計証明」を取得した狩猟用発信器(GPSマーカーや罠用発信器)であれば、無線局免許を取得しなくても日本国内で使用できる「動物検知通報システム」が制度化された。しかし、その間、日本の技術基準に合致しない海外規格のGPS位置専用機やアマチュアバンドを使った音声情報専用のドッグマーカーが不法無線局として使用されるケースが散見されるようになった。そこで今回、同社では、船舶向けに限らず、陸上分野でも通信・交通・社会インフラ分野で衛星航法システム(GNSS)や無線通信技術を活用した各種機器・サービスを手掛けている実績から、国内法規に適合したGPSマーカーの商品企画を検討すると同時に、大日本猟友会など関係団体の協力のもとで、ユーザーへのヒアリングや実地評価を積み重ねて、製品化に至ったという。

同製品は、猟犬に装着する「猟犬端末」と、野生鳥獣を探索する狩猟者が猟犬の位置情報を把握するために使用する「狩猟者端末」で構成されている。国内法規に適合したGPSマーカーとして初めて、猟犬の位置情報をGPS測位するとともに、「猟犬端末」の内蔵マイクを通じた音声情報を同時に確認できるようにした他、「猟犬端末」を小型軽量化することで、猟犬の負担を軽減した。また、「狩猟者端末」については、高齢者の比率が高いユーザーが操作しやすい専用端末とするため、屋外で視認しやすい高輝度の2.7型カラー液晶画面を採用するなど、実際の使用環境に配慮した堅牢かつ利便性の高い仕様となっている。さらに、国内の狩猟業界でも高い信頼性を誇る販売代理店とパートナーを組むことで、商品購入から使用後に至るまで、充実したアフターサービスを提供するとしている。

(左)「狩猟者端末」と(右)「猟犬端末」の外観イメージ