日々、肌身離さず持ち運んでいる携帯電話。ショルダーフォンからストレートタイプへ進化し、折りたたみ式を経て、スマートフォンで再びストレートタイプ(適切な表現ではないかもしれないが)が主流となっている。

ストレートタイプになった要因と言えば、「iPhoneが流行ったから」と語りがちだが、タッチパネルですぐに操作できるユーザービリティとの親和性が高いという点が大きいだろう。

スマートフォンが流行する直前期に、フィーチャーフォンでもスライドタイプの携帯電話が増え、いわゆるテンキーを隠す形で十字キーと各種機能キーだけ露出する機構が多かった時代を思い浮かべると、ある意味当然の進化の流れのようにも感じる。

そのストレートタイプの難点は、画面が傷つきやすい点。筆者の周りの友人や、電車の中で意図せず視界に入ってくるスマートフォン利用者の画面を見ると、割れたまま利用しているケースが非常に多い。IT系に強い読者であれば「画面割れたんだけど、これ修理すると高いよね?」などと相談を受けたことがある人も少なくないはずだ。

そのディスプレイだけではなく、携帯電話全体の耐久力にも気を配ったスマートフォンがある。それが京セラの「TORQUE G01」だ。

KDDIから発売されたTORQUE G01は、米国国防総省が定めた耐久試験「MIL-STD-810G」の11項目に準拠。防水、防塵、耐衝撃、耐振動、耐日射、防湿、温度耐久、低圧対応、塩水耐久など、あらゆる状況下で耐えられるように設計されており、夏場のキャンプや登山、スポーツ、冬場の雪山など、どんなところでも持ち運べる魅力がある。

タレントのヒロミさんも参加した「TORQUE EXTREME FES」

利用シーンの1つであるスポーツでは、京セラが8月頭に東京ミッドタウンで「TORQUE EXTREME FES」を開催。TORQUEが持つ魅力と、エクストリームスポーツで活躍するプロのコラボレーションを見せた。

イベントに参加したプロは、フリークライミングの第一人者である平山 ユージ氏とマウンテンバイク プロダウンヒルライダーの井手川 直樹氏。平山氏は、10台で国内トッププレイヤーとなり、その後ワールドカップ総合優勝を取るなどの実力を持つ。

一方の井手川氏も日本人で初めて海外チームに所属するなどの実力者で、アジア選手権大会で2年連続1位となる実績を持つ。2013年も全日本選手権で1位に輝いており、レース活動以外にも若手選手育成やマウンテンバイク普及活動を行なっている。

イベントにはタレントのヒロミさんも参加し、それぞれがTORQUE G01を使用した上での感想を語った。ヒロミさんもフリークライミングを楽しむとのことで「岩場で写真を撮る時とか、スマートフォンを落としたりしないかすごい気になる。でもTORQUEなら、落としても大丈夫だと思うと、気持ちに余裕が出てくる」と話した。

一方で平山氏も何度かTORQUEを山へ持って行ったと話し、「山では、雨など過酷な環境でレインジャケットに携帯を入れていても濡れて水没しちゃったことがあった。でも、TORQUEは(国防総省の耐久試験に耐えるような)耐水性があるということで安心。それにクライマーとしては高度も測れることが嬉しい。海外で山へ登った時、高度3000m~4000mで、自分の感覚だけではなく、実際に高度が測れるというのはとても嬉しい機能だった」と語っていた。

平山 ユージ氏はイベント会場のボルダリングを軽々と登る

また、井手川氏もTORQUEのメリットにちょっと乱暴に使っても壊れないという安心感を挙げた。

「レースの時は駄目だけど、練習の時は(足の付け根にある)ライディングポケットにスマートフォンを入れている。できるだけ壊れないように画面を太もも側に向けて入れているんだけど、転けたりして何回か割っている。でも、これなら気を使わなくて良いし、雑に扱っても良いという安心感がある。ガラス面を気兼ねなく表側に向けられるね」(井手川氏)

井手川 直樹氏はMTBで観客を飛び越えるパフォーマンスも

なお、TORQUE G01は「富士山山頂でもYouTubeが見られる時代 - 携帯キャリアのLTE電波対策に迫る」でも試用したので、ご覧いただきたい。

TORQUEを壊しにかかってみる

TORQUE G01は7月に発売されたが、実はベースモデルの「TORQUE (SKT01)」が存在する。これは、2013年に米国で発売、2014年1月に日本国内向けに販売開始となった、いわば"逆輸入モデル"なのだ。

日本国内向けには、SIMフリー端末として販売されており、主に法人需要を狙った製品展開を行なっているようだ。NTTドコモが「ドコモビジネスオンライン」で取り扱っており、NTTドコモのネットワークであれば接続検証も行なわれているので安心して利用できる。

これがTORQUE SKT01。G01とは少し外観が異なる

筆者所有のiPhoneとXperia Z1とサイズを比較。iPhoneに近いサイズ感だ

今回、TORQUE SKT01をお借りして徹底的に端末を痛めつけてみた。なお、マイナビニュース読者であれば注意する必要はないと思うが、故意に携帯電話を壊すような行為は絶対にやめていただきたい。

修理やサポートを受けられない可能性があるだけではなく、大事なデータが消えてしまう可能性もある。いくら高耐久性を持ち合わせている端末であっても、工業製品であることに違いはない。あくまで普通に使っている中で、ちょっとドジって「熱湯に落とした」「冷凍庫に入れた」「階段の下に投げ落とした」「うっかり女性のヒールに踏まれた」という程度にとどめておこう。

  • 砂場でお遊び

海に行って携帯電話を壊したことはないだろうか? 筆者は経験してないが、友人から「砂が入って壊れた」という話をたまに聞く。TORQUEであれば、そういった環境でも安心だ。

うっかり落とすどころか、砂遊びのシャベルとしても使ってあげてもいい。なお、海岸に行く余裕がなかったため、都内の公園で撮影した点はご了承いただきたい。

  • 小銭で画面を傷つけても大丈夫

ここからは動画でご覧いただこう。ポケットにスマートフォンと小銭をうっかり一緒に入れてしまった経験はないだろうか? 筆者が個人で利用しているスマートフォンは、そうした不注意で幾度となく小傷を受けており、スマートフォンに対して申し訳なく思っている。

その点、TORQUEは小傷どころか直接こすってみても全く傷が付かない。かなり力を入れていたのだが、傷一つなくこの関門をくぐり抜けた。この動画は、砂場で遊んだ後に撮影したのだが、砂による小傷もないことが見てとれる。

  • 熱したり、冷やしたり

続いては、耐熱、耐寒性能テスト。

100度に沸かしたお湯の中に30秒つけて使えるか、水に浸けて冷凍庫に放り込んでも使えるかテストしてみた。

結論から言うと使える。一つだけ注意があるとすれば、ほかのスマートフォンでも、もしかすると大丈夫かもしれないと言うこと。iPhoneはともかく、国内で発売されている多くのスマートフォンは防水仕様であるため、水に浸けてこういった実験はできる。

しかし、米国国防総省の試験を受けているわけでもない端末でそのようなテストができるわけでもなく、ましてや個人所有の端末をこの記事のために差し出す度量も筆者にはない。そういう点で、「メーカーがわざわざテストをして保証してくれている」という安心感がこのTORQUEにはあると言えるだろう。

100度に沸かしたお湯に浸ける実験は、この動画以外にも3度ほど試したが、いずれも全く問題なく動作した。1度だけディスプレイが正常に表示されなかった時があったものの、これは液晶ディスプレイの特性上、いたしかない事象(液晶分子が動くことで映像が表示されるため、加熱によって一時的に正常な働きができなくなる)であったので、動画の掲載は割愛した。ここに掲載した動画はその後に撮影したモノなので、いたって正常に動いていることが分かっていただけることだろう。

一方で、冷凍庫に入れた場合でも問題なく動作した。こちらは何度もテストできるような環境ではないので、1度だけであったが、強いて言うなら「夏場に冷凍庫に入れておいて、暑さしのぎに使えるな」という感想が思い浮かんだ(一般的には、極端な環境に携帯端末を置き続けると問題が起きる可能性が高いのでやめましょう)。

  • 「あー、あるある」な携帯故障パターン

携帯電話を落として壊すパターンといえば「階段の上からすっ飛ばした」「階段の手すりの上から下に落とした」「走ってたら携帯が落ちて蹴り飛ばした」の3つだろう(筆者調べ)。

これらのパターンを忠実に再現したのでご覧いただきたい。

いずれも非常にハードな検証であった。ここまでやったら「さすがに壊れるだろう……」と思ったのだが、ものの見事に動いてくれた。本来であれば、法人需要のメインと思われる建設業界の現場へおもむき、「鉄球で壊してください」などと言えば良かったのだろうが、ここまでの検証で手一杯だった。

ただ、2階相当から落とすといったケースは、建設現場に限らず、その他法人需要、ひいては一般ユーザーにとっても大きなメリットにうつるだろう。「壊れる」ことにおびえるのではなく、「壊れない」ことを前提に利用できるスマートフォン。それが京セラ「TORQUE」の最大の魅力といえる。

  • 踏まれても大丈夫なTORQUE

締めに見せかけて、もう1つ。

マイナビの社員にTORQUEをとことん踏んでもらった。液晶ディスプレイの一点を集中的に狙うヒールが続く中、巨漢の編集部員にも踏んでもらった。

これらの負荷テストを続けた最終結果がこちらだ。

やや、ガワの端っこが浮いている。京セラの方に尋ねたところ、さすがに「この状態では防水性能が維持できない」とのことで、100点満点の結果とはならなかった。

しかし、スマートフォンとしては問題なく動作しており、「わざと壊しにかかっても、使えるスマートフォン」には変わりなかった。恐らく「防水できなかったら駄目だろう」というツッコミが入るかもしれないが、これらの実験をした身としては「よくこれだけボコボコに潰そうとしたのに耐えられたな」という感想が正直なところだ。

端末スペックなどは割愛したが、現行モデルよりも数世代前のスペックながら、Androidがこなれてきていることもあり、サクサク機敏に動く。アウトドア環境で遊び、ハードな仕事に従事する「デキる男」に、是非オススメしたい製品と言えるだろう。