国立天文台は7月29日、次世代超大型望遠鏡「TMT(Thirty Meter Telescope:30m望遠鏡)」の本格建設をハワイにて今年中に開始すると発表した。

これまで、参加する日本、米国、中国、カナダ、インドの5カ国が準備を進められていたが、2014年4月末に各機関の責任者による協定書への署名が行われ、同5月6日に米国にて「TMT国際天文台(TIO)」が法人登記され、設立されていた。

今回の本格建設は7月25日付でハワイ・マウナケア山頂域における建設許可が出たことを受けたもので、2014年夏以降に予定地までの道路建設などが進められる計画。

なお、日本はは望遠鏡本体構造の製作と主鏡製作の一部という基幹部分を担当しており、主鏡を構成する492枚の分割鏡(交換用を含めると574枚)の鏡材はすべて日本で製作される。すでに量産を開始しており、2014年3月までに60枚の鏡材が出来上がっており、鏡面の研削・研磨加工が進められているという。

また、望遠鏡本体構造については、2013年までに基本設計が行われ、国際レビューに合格しており、2014年度より、詳細設計を進め、製造へと進んでいく予定だという。

TMTの完成予想図 (C)国立天文台 TMT推進室

ハワイ・マウナケア山頂域のTMT建設予定地とすばる望遠鏡の位置 (C)国立天文台 TMT推進室