ヤクルトは7月1日、同社のプロバイオティクス製品を 家庭などに届けるヤクルトレディと一般女性の腸内細菌叢(腸内フローラ)を比較したところ、ヤクルトレディの腸内にビフィズス菌などの有用菌が多いことを確認したと発表した。同成果の詳細は、米国の学術誌「International Journal of Probiotics and Prebiotics 」に掲載された。

腸内に存在する数百種類、約100兆個の細菌が形成する腸内フローラが近年、消化管上皮細胞を介してヒトの健康や感染防御に影響を与えていることが分かってきた。これまで同社では、プロバイオティクスの摂取により乱れた腸内フローラが改善することを報告しており、次のステップとして、プロバイオティクスの長期にわたる 日常的な摂取が腸内フローラにどのような影響を及ぼすのかの明確化が求められていた。

そこで今回、同社のプロバイオティクス製品を家庭などに届け、自らもプロバイオティクス製品を長期に渡り継続して飲用する機会が多いヤクルトレディの腸内フローラと、プロバイオティクス製品の飲用習慣がない一般女性の腸内フローラを比較することで、その影響の確認を行ったという。

具体的には、ヤクルトレディ91名(平均年齢45歳)と、一般女性98名(平均年齢46歳)に対し、排便状況に関するアンケートの実施および独自開発の腸内フローラ解析システム「YIF-SCAN(Yakult Intestinal Flora-Scan)」を用いて、採取した糞便から腸内フローラの解析を行ったという。

その結果、ヤクルトレディの方がビフィズス菌ならびに乳酸菌数が有意に高く、有害菌の一種とされるウェルシュ菌の数が有意に低いことが確認されたという。

なお、今回参加したヤクルトレディの平均勤続年数は11年で、この間、プロバイオティクスの長期的な継続摂取が行われてきたと考えられることから、健康を維持する上で重要な知見となると同社ではコメントしている。