ZMPは6月27日、アイサンテクノロジー、名古屋大学大学院 情報科学研究科の武田一哉研究室と連携して、自動車の自動運転の公道実証実験を名古屋市で平成26年度中に実施すると発表した。
ZMPは、乗用車トヨタプリウスベースの自動運転プラットフォーム「RoboCar HV」を2012年より販売する他、SLAM(Simaltaneous Localization and Mapping)技術を用いた自車位置推定・マッピングや、カメラを用いた画像認識技術を組み合わせた自動運転走行技術を開発している。アイサンテクノロジーは、自動運転や安全運転支援の研究開発に向けた高精度地図などを提供しており"位置を正確に測る"技術を得意としている。特に、車載型の移動式高精度3次元計測システムMMS(モービルマッピングシステム)は、走行しながら建物・道路の形状・標識・ガードレール・路面文字・マンホールなどの道路周辺の3次元位置情報を高精度で効率的に測定できる。名古屋大学は、ZMPの「RoboCar HV」を2013年より導入し、ITS世界会議への出展、JST/CRESTプログラム「行動モデルに基づく過信の抑止」の実施、学術論文の発表など、精力的な活動を続けている。
今回、3者は、2020年の東京オリンピックでの自動運転の実現をゴールとし、5年スパンでの公道実験による技術・ノウハウやガイドラインの蓄積・共有を進めていく予定。初年度にあたる平成26年度に関しては、愛知県の「新あいち創造研究開発補助金」の補助対象の実証実験として採択され、安全に十分配慮した公道実験をZMPが中心となり実施する。計画では、名古屋市内の県道15号線のバス優先道路を使用し、イオン守山近辺から竜泉寺口交差点付近に至る約2.2kmにおいて、ZMPの自動運転車を使用した実験を予定している。実験では、アイサンテクノロジーのMMSにより測定した高精度地図を使用し、ZMPのステレオカメラによる画像認識技術をはじめとした環境センシング技術や、自己位置推定・マッピング技術などと組み合わせることで、バス優先道路における時速40km以上の安定した自律走行を実証することを平成26年度の目標としている。