ノークリサーチは6月23日、中堅・中小企業におけるWindows XPからの移行状況に関する調査の結果を発表した。

同調査は、2014年4月から5月にかけて、全国・全業種の年商500億円未満の中堅・中小企業において企業経営もしくはITインフラの導入/選定/運用作業に関わる社員に対し行ったもの。有効回答件数は1,087件。

Windows XPは2014年4月にサポートが完全に終了したが、期限までに新OSに移行することができなかったユーザー企業も存在する。年商500億円未満の企業に対して「Windows XP搭載PCの残存状況」を尋ねた結果、「今後もしばらくは利用を継続する」という回答の割合は年商規模が小さくなるほど高く、年商5億円未満の企業層では20.8%に達した。

同社は、こうした企業層に対し、Windows XPの利用を継続することのリスクを啓蒙するとともに新OSへの移行を支援する取り組みが必要となってくると指摘している。

「Windows XP搭載PCの残存状況」 資料:ノークリサーチ

続けて、「PCの新規導入や入れ替えを行うきっかけ」を尋ねたところ、年商5億円を境界線として傾向に差があることがわかった。

年商5億円未満の企業クラスでは「ハードウェアの故//トラブル」が50.5%と過半数を占め、いわば、故障やトラブルが起きない限りはPCの刷新を行わない傾向にあると言える。実際、同年商の企業クラスはWindows XPの移行も他年商クラスと比べて遅れており、企業数は多いが、PCを販売する販社/SIerにとって訴求が難しい企業層と言える。

「PCの新規導入や入れ替えを行うきっかけ(いくつでも)」 資料:ノークリサーチ

一方、年商5億円以上の企業クラスは、「ハードウェアのリース/レンタル終了」「ハードウェアの故障/トラブル」「OSのサポート切れ」が比較的多く挙げられた。

どの項目もユーザー企業による能動的な取り組みではなく、「PC環境を維持するためにやむを得ず行う刷新」に該当する。PCを販売する販社/SIerにとって確実な更新需要だが、ユーザー企業は「現状を維持したいだけなのにコスト負担が大きい」と感じてしまいやすい結果となった。