島津製作所は6月9日、高画質と低線量を実現した血管撮影システム用画像処理エンジン「SCORE PRO Advance」を発表した。

近年の血管内治療デバイスの進歩により、血管撮影装置は従来の検査装置から治療支援装置としての重要性が高まると同時に、デバイスの微細化や複雑な病変に対する手技の高度化に伴い一連の透視時間も長くなり、さらなる被ばくの低減が求められている。

「SCORE PRO Advance」は、リアルタイムの高画質化処理として従来の「SCORE PRO」で培われたマルチ周波数処理・エッジエンハンス処理に加え、新たにモーショントラッキング(動き追跡)型ノイズ抑制処理を実現した。これにより、残像とノイズが低減し、フレームレートを15fpsから7.5fpsと、従来の半分にしても血管内治療に求められる画質を十分確保し、結果的に被ばく線量を1/2に低減することが可能になった。

今後、「SCORE PRO Advance」を6月以降出荷する血管撮影装置「Trinias」シリーズに標準搭載し、高度な最先端治療をサポートしていくとしている。

(左)「SCORE PRO Advance」の透視画像7.5fps、(右)「SCORE PRO Advance」の撮影画像15fps。撮影よりも低線量の透視において、さらに半分のフレームレートでも十分な視認性を確保している