マクニカは6月3日、AlteraのFPGA「Cyclone V GX」を搭載し、3つの拡張コネクタ(HSMC:High Speed Mezzanine Card)に対応したI/O拡張ベースボード「Nitro」を発表した。

近年、電子機器市場では製品の多様化に加えて開発期間の短縮、仕様変更などへの柔軟な対応が求められており、それらに合わせたプラットフォームの開発が進められている。このような環境下で、FPGAの持つI/Oやロジックの柔軟性が今まで以上に注目され、プラットフォーム開発の中心的な役割を果たす機会が多くなっている。

同製品は、最小限のシステムコストで低消費電力かつ最適な性能が実現可能な「Cyclone V GX」の設計・検証を支援するためのプラットフォームである。DDR3メモリとクロックIC以外のほとんどのI/Oを、3つの拡張コネクタHSMCを通じて、既存の拡張カードや製品差別化のために開発した新規拡張カードに接続できる。例えば、3つの拡張コネクタの組み合わせにより、DDR3メモリをフレームバッファとして使用し、HDMI、DVI、SDI、DisplayPort、V-By-Oneなど、各種ビデオストリームフォーマットの相互変換や、ビデオストリームをPCI ExpressやEthernet、USB3.0などへの高速パケットデータ変換およびスイッチングなどが実現する。

また、「Nitro」ボードと拡張カードは容易に脱着でき、新たな拡張カードを接続することで、全く別の開発プラットフォームに転用できるだけでなく、仕様変更の際や新しいインタフェースに対応させる際に、新たに基板全体を開発することが不要となり、基板開発の工数、基板製造コストを削減できる。

なお、6月10日により受注を開始し、7月10日より出荷を開始する。国内では、Altera製品を扱うマクニカのグループ会社であるアルティマおよびエルセナから販売され、マクニカ オンラインストアにおいても順次取り扱われる予定。

「Nitro」ボードの外観

「Nitro」を使ったI/O拡張の例