三井化学と扶桑化学工業は、5月16日、扶桑が三井の有機酸事業を承継することで基本合意したことを発表した。

三井化学は、2月に発表したとおり、ウレタン事業再構築の一環として2016年12月末を目途に鹿島工場の全プラント(TDI、特殊イソシアネート群、有機酸)を停止し、工場を閉鎖することを決定していた。一方、扶桑科学は有機酸のうち無水マレイン酸を原料とするリンゴ酸の国内唯一のメーカーであり、その他にクエン酸やグルコン酸といった果実酸事業を幅広く展開しており、両社間で協議を重ねた結果2014年10月1日を目途に三井から扶桑へ事業承継することで基本合意に達した。

今回の事業承継により、TDIプラント停止後も、扶桑科学が三井科学の現鹿島工場内において有機酸の生産を行いお客様への安定供給を継続することができ、三井科学は鹿島工場内の土地、有機酸設備等を有効活用することができ、扶桑科学はリンゴ酸の原料である無水マレイン酸からの一貫競争力確保および顧客の拡大によるシナジー効果が期待できるとしている。