2014年5月14日から16日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第17回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2014)」において、インテルは同社のパートナー企業らとIoT分野においてx86プロセッサを実際の活用するためのデモなどを交えた展示を行っている。

既報のとおり、同社はIoT分野に対し、プロセッサだけでなく、セキュリティやOSなどを含めたトータルソリューションでの提案を行っていくとしているが、その宣言通り、プロセッサ/基板のみならず、ソフトウェアソリューションも交えた総合的なデモの紹介が行われている。

パートナー企業の展示もそうだが、同社としても、IoTを実際に製造工場に用いた場合、どういった利用が想定できるのか、といった「IoTを用いた次世代製造工場モデル」のデモや、岡谷鋼機の協力などによるIoTゲートウェイを用いた「スマートメーターとHMESの連携」といったデモなどが行われている。

インテルブースで見ることができる「IoTを用いた次世代製造工場モデル」のデモ

IoTゲートウェイを用いた「スマートメーターとHMESの連携デモ。岡谷鋼機のほか、ユビキタスと村田製作所も協力メーカーとして名を連ねている

また、複数の産業機器の処理を1つの機器に集約する「ワークロード・コンソリデーション」の実現に向けたAtomやCore iシリーズを用いた「Intelligent Sysytem Embedded フォームファクター・リファレンス・デザイン」の展示や、McAfeeのセキュリティソリューション「McAfee Embedded Control(MEC)」を用いたPLC制御を行うシステムに対する不正ファイルの動作防止ソリューションなどの展示も行われている。

「Intelligent Sysytem Embedded フォームファクター・リファレンス・デザイン」のデモ。赤い筐体がAtom搭載モデル、白と青の筐体がCore iシリーズを搭載したモデル。Atom搭載モデルには別途ストレージ搭載が可能な横長のタイプも存在している

Atom搭載マザーボード。左側が赤い筐体の側になる。Atomは下側となるが、実は筐体の黒い部分がアルミ製で、ヒートシンクと一体化しており、冷却の役割も果たしている

特にMECは、いわゆる一般的なPCなどのセキュリティで用いられている悪いファイルのリストを参照してウイルスなどを検出するブラックリスト方式ではなく、特定のファイルだけ動作させるホワイトリスト方式を採用しているが、基本的にすべての拡張子を対象にしつつ、そのファイルの不用意な更新などを防ぐことが可能な点が特徴となっている。

McAfeeのセキュリティソリューション「McAfee Embedded Control(MEC)」のデモ。PCに接続されたUSBからファイルを読み込もうとすると、実行ファイルが自動的に実行され、回転速度を変えてしまうという本来あってはいけないような出来事を例として見ることができる

さらに、ソフトウェアの活用デモとして、Preferred Infrastructureの協力でリアルタイム機械学習プラットフォーム「Jabatus」の展示も行われている。同プラットフォームは、例えば、クライアント側(カメラなど)でリアルタイムにヒトを検知するだけでなく、そのヒトがどのような仕草をしているのか、どういった服装をしているのか、などをデータ化し、ホスト側にデータを送り、ビッグデータの解析を行うことなどができるというもの。リアルタイムに異常検知する農業センサ監視システムなどの実験なども行っているとのことで、数年以内には実際のビジネスでの活用も期待できるとしていた。

Preferred Infrastructureの協力で行われているリアルタイム機械学習プラットフォーム「Jabatus」の展示。単なる人間の検出ではなく、その人がどういった服装であるとか、どういう行動(手を挙げている、走っているなど)をとっているか、などをクライアント側で認識、データ化してホスト側に送るというものとなっている