2014年5月14日から16日にかけて東京ビッグサイトにて開催されている「第17回 組込みシステム開発技術展(ESEC 2014)」において、アクセルは子会社であるニューゾーンとともにブースを出展。従来からの強みである組込機器向けグラフィックスLSI「AG903」などの画像処理製品の展示に加え、1Wデジタル簡易無線モジュール「NZ211M」を用いた通信デモなどの展示を行っている。

ESEC 2014におけるアクセル/ニューゾーンのブース

「AG903」はOpenVG 1.1対応ベクタグラフィクスエンジンを搭載したグラフィックス処理LSIで、入力はアナログ4系統、デジタル1系統、出力は2系統(LDVS、デジタルRGB選択)を搭載。CPUのほか、専用の画像処理エンジンと画像圧縮エンジンを搭載しているほか、USBやイーサネットなどの周辺ペリフェラルインタフェースも搭載している。

また、同じくグラフィックスLSIとしてPCI-Express対応の「AG10」の展示も行っている。こちらはPCI Express ×1/×4対応で、64MBのVRAMを搭載。最大解像度は1920×1200で、出力は4系統(LVDS)に対応しながら、消費電力は3.2Wで済むという。

OpenVG 1.1対応ベクタグラフィクスエンジンを搭載したグラフィックス処理LSI「AG903」

PCI-Express対応の「AG10」

一方のニューゾーン側では467MHz帯免許局 ARIB STD-T98準拠の1Wデジタル簡易無線(DCR)モジュール「NZ211M」を活用したソリューションの提案などが行われている。

NZ211Mは、信号伝送速度4.8kbpsを実現した通信モジュールで、外部の制御装置とシリアルインタフェース接続で、無線機の各種設定やデータの送受信を行うことができる。通信距離は地形や障害物、アンテナの種類や設置高さなどで変わってくるが、市街地であれば500m~1.5km程度、障害物のない見通しの良い場所であれば4km程度までの通信が可能だという。

1Wデジタル簡易無線(DCR)モジュール「NZ211M」

「NZ211M」を用いたソリューションの構成例

また、最大10個のチャネルを設定することで、自動で空チャネルを探して送信を行うことが可能なほか、受信レベル測定コマンドを用いることで、チャネルごとの受信レベル(dbuV)を測定することが可能。さらに、内部LSI停止コマンドにより、周期的にLSIを停止させるスタンバイ機能も搭載しており、バッテリ駆動の場合の動作寿命を延ばすことが可能となっている。

このほか同社ブースでは静止画像によるリモート監視組み込みボード「NZ103B」および同ボードを組み込んだリモート監視ステーション「NZ103U」のデモも行っている。

NZ103U/Bは、カメラ入力などの静止画を独自コーデックにより1/100を超す高い圧縮率ながら良好の画像を実現するグラフィックスLSI「NZ101」を搭載することで、NZ211Mなどの低ビットレートの無線通信であっても画像を伝送させることを可能にするもの。キャプチャの解像度はVGAもしくはQVGAで、外部入出力は各×4、アナログ入力×2ポートを装備。画像データは無線伝送のほか、SDカードへ記憶することも可能だという。また、オプションボードを用いることで、音声通信も可能だという。

静止画像によるリモート監視組み込みボード「NZ103B」(左)と、同ボードを搭載したリモート監視ステーション「NZ103U」(中央、右)