カネカは5月7日、京都大学iPS細胞研究所(CiRA)と、iPS細胞を用いて創薬スクリーニングを行うための自動培養装置の開発を目指した共同研究契約を締結したと発表した。
CiRAではiPS細胞からさまざまな組織や臓器の細胞へ分化させる技術開発が進められており、患者由来のiPS細胞(疾患特異的iPS細胞)を用いて病態解明や治療法の研究開発を行うことが可能になっており、新薬開発の初期段階における副作用検査や創薬ターゲット探索など創薬分野でのiPS細胞の活用が期待されるようになっている。
一方、同社は細胞培養工程でCPC(Cell Processing Center)のようなクリーン度の高い施設を必要としない自動細胞培養装置の販売を行ってきたが、今後、今回の契約をもとに細胞培養装置の新たなターゲットとして、CiRAの技術を活用したiPS細胞を用いた創薬スクリーニング装置の開発を進めることで、根治薬のない希少・難治性疾患に対する治療薬の開発が促進されることが期待できるようになると説明している。