シーメンス・ジャパンは、新開発のX線管「VECTRON」を搭載することで低侵襲を実現したデュアルX線管搭載型CT装置「SOMATOM Force」および、コスト重視の16スライスCT装置「SOMATOM Scope」の2機種を発表した。

「SOMATOM Force」は、VECTRONの搭載により最大1.3Aの管電流の発生が可能であるため、高画質を維持しながら低電圧での撮影が可能となったという。例えば、通常のルーチンCT検査では120kVの管電圧を用いた検査が必要なところ、70kV~80kV程度の低電圧で検査が可能となり、これにより、通常の胸部CT検査で使用する被ばく線量5~30mSv程度に対し、一般的な胸部レントゲン検査と同等の0.1mSv程度に抑えることが可能になるという。また、低電圧撮影により、造影コントラストが上昇するため、造影剤使用量を削減することも可能になるという。

一方の「SOMATOM Scope」は、奥行692mmのスリムなガントリと、16スライスCTとしては最小クラスとなる底面積8.0m2を実現しており、従来シングルスライスCTを設置していたような小さな部屋にも設置が可能だという。

また、最大使用電力は40kVAで、従来の16スライスCTと比較して、電力消費量を約10%削減できるほか、運用コスト削減と安定稼働を可能にするX、線管の負担を軽減する「eStart」、個々のスキャンに合わせて管電流やスキャン速度などのシステム稼動を最適化する「eMode」、そしてスタンバイ時にガントリ回転を停止し、消費電力を抑制する「eSleep」の3つの機能を備えた「eCockpit」を、スキャン前にウォーミングアップすることで、X線管とシステム全体への負担を約10%軽減することが可能になるという。

SOMATOM Forceの外観写真

SOMATOM Scopeの外観写真