Infineon Technologies、Siemens、ドレスデン工科大学、ZF Friedrichshafenといった企業や大学、研究機関などで構成される小型/軽量/高効率の3つの要素を兼ね備えた電気自動車向け電気モータの開発を行う研究プロジェクト「MotorBrain」は4月8日(独時間)、最初のプロトタイプを公開したと発表した。

同プロトタイプは高度に集積された電気モータで、電気自動車のパワートレインを構成するコンポーネントの中でも重要なものを組み合わせていながらも、MotorBrain発足時(2011年)と比較してサイズを4分の3に縮小することに成功したという。

また重量もモータ、ギア、およびインバータを一体化することで従来比で軽減され、パワートレイン全体として90kgから77kg未満へと約15%の軽量化を果たせるようになったという。

こうしたサイズと重量の削減によって電気自動車は、同モータを搭載した60kW(80馬力相当)の出力を持つ中型車の場合、充電1回あたりの走行距離を従来から30~40km延ばすことが可能になるとしている。

さらに、同プロトタイプは安価なフェライト磁石に新たに開発した高速回転ロータを組み合わせることで、レアメタルフリーを実現しており、低コストでの製造が可能だという。

なおMotorBrainプロジェクトは2014年10月に完了する予定で、研究グループでは、今回開発したプロトタイプの研究成果の検証ならびに立証をプロジェクト完了までに行う予定としている。