IDC Japanは4月10日、国内中堅中小企業IT市場のユーザー調査結果を発表した。調査によると、2014年度(会計年)のIT支出予算では、前年度から「増加する」(前年度比103%以上)と回答した企業の割合は43.0%と、「減少する」(前年度比97%未満)と回答した企業の割合17.6%を大幅に上回り、景気改善によって、中堅中小企業(従業員規模:999人以下)でも本格的にIT支出予算の拡大を検討する企業が増えていることがわかった。

中堅中小企業が抱える経営課題としては、「売上拡大」を挙げる企業が最も多くなってるが、「人材不足対策」「従業員育成」といった人材面に関する課題を挙げる企業が前回調査(2013年1月実施)よりも増加していた。これは、中堅中小企業において業績が回復に向かう企業が増加しているため、人材不足が深刻化していることが要因として挙げられるという。一方で、ITを活用して人材面の課題解決を期待する中堅中小企業は、他の経営課題と比較して少ないままとなっている。

IDC Japanでは今後も人材面の課題を抱える中堅中小企業は更に増加が予測され、人材面の課題解決を支援するITソリューションのニーズは高まるとみているという。

今後の国内中堅中小企業IT市場は、中長期的にはサーバーの仮想化/統合化、パブリッククラウドの利用拡大などによって市場は縮小傾向に向かうと予測されている。したがって、市場拡大を図るためには、現状期待が少ない人材面の課題解決を支援するITソリューションの積極的な展開が重要だとした。